そもそも4Kって何?

そもそも4Kってどんな意味だろう? いまさら人に聞けない、という方のためにまずはおさらいしておこう。

4Kディスプレイとは、「4,096×2,160ドット」や「3,840×2,160ドット」など、表示パネルの画素数が横4,000×縦2,000ドット前後に引き上げられたディスプレイの総称だ。4Kは、"4,000ドット"に由来している。

では、4Kディスプレイはどのくらい高画質なのだろうか? 例えば普段、私たちはフルハイビジョンで撮られた地上デジタル放送の番組や、Blu-rayディスクで観る映画の映像を「綺麗だな」と思うことがある。しかし地上デジタル放送やBlu-rayディスクにおける映像の最大サイズは、ハイビジョン(1,920×1,080ドット)水準である。4K解像度は、これの4倍にあたるわけだ。

こちらは8月25日に発表された、三菱電機の4K対応レーザー液晶テレビ「REAL LS1」

4Kディスプレイの映し出す鮮明な映像(もちろん4K解像度に対応したコンテンツ)を目の当たりにすると、多くの人は強い感銘を受けると思われる。大手メーカーに勤務する、筆者の知り合いの4Kディスプレイ担当者は、「4K映像が生み出す精細感は、3Dでもないのに立体感すら感じさせる」と語っていた。

一方、4K製品には、デメリットもいくつか存在する。まず、利用できる4K対応コンテンツが少ないこと。テレビ用コンテンツでも主流は一部の風景番組やミュージックビデオなどで、いわゆる"4Kテレビ"の需要が伸びていない理由のひとつもここにある。PCで視聴する場合は、YouTubeの4K動画や自分で対応ビデオカメラを使い撮影した映像などがメインとなる。

また、4Kディスプレイは消費電力が大きいため、ランニングコストが気になる人もいるだろう。例えばEIZOが7月31日に発表した31.5型4Kディスプレイ「FlexScan EV3237」は、通常消費電力が30W、最大消費電力が105W。そして、同社が9月9日に発表した24.1型WUXGA(1,920×1,200ドット)ディスプレイ「FlexScan EV2455」は通常消費電力が13W、最大消費電力が49Wとなる。ディスプレイサイズに違いはあるが、消費電力の差は大きい。

このほか、PCに接続して映像を出力する場合、現状では、4K出力可能なグラフィックスカードの搭載など、PCによっては高いスペックが要求されるという点にも注意が必要だ。

ただ、これらのデメリットを差し引いて考えても、4Kディスプレイが映し出す解像度の高さと美しさは、非常に魅力的である。

こちらは東芝が4月に発表した、世界初の4K対応15.6型ノートPC「dynabook T954/89L」。ディスプレイにはIGZO液晶を採用。映し出される映像は美しい