開発者にインタビュー! ALIENWARE ALPHAの狙いとは
東京ゲームショウ 2014の同社ブースにて、ALIENWARE ALPHAの開発者であるマーク・ダイアナ氏とフランク・エイゾール氏に直接話を伺うことができた。
──ALIENWARE ALPHA開発の経緯を教えてください。
エイゾール氏:まずはPCでゲームを楽しんでいる人に、リビングでもそのゲームを楽しんでもらいたいというのが開発の大きな理由です。
ダイアナ氏:コントローラーだけでプレイできるゲームはSteamに500以上あります。そのうち250以上は協力型や対戦型。複数人でプレイできるゲームにかかわらず、PCの小さな画面をみんなで見ながらプレイしている現状があります。そうではなく、リビングの大きな画面で快適にプレイしてほしい、というのもあります。
──ターゲットはコアなゲーマーなのでしょうか?
エイゾール氏:特定の層ではなく、幅広い層をターゲットにしています。すでにSteamのゲームをプレイしているゲーマーは、すぐに飛びついていただけると考えています。ただ、Steamのゲーマーだけではなく、次世代コンソールと呼ばれるゲーム機の現状に不満を感じている人、または今まではとは違ったオープンなものを求めている人、リビングで友人たちとワイワイ楽しみたい人にも、ぜひ使っていただきたいと思っています。
──今回、Steam OSではなく、Windows 8.1を採用した理由は?
ダイアナ氏:最初はSteam OSを搭載する予定で動いていたのですが、Steam OSの開発が遅れ、いつ出てくるかわからない状況です。そのため、ユーザーにSteam OSが出るまで待ったほうがいいのか意向を聞いたのですが、待つよりは今すぐプレイしたいという声が大きかったので、Windows 8.1を使い、そこに独自のUIを載せることでSteamと連携しつつ、テレビの大画面に映してプレイできるようにした、という経緯があります。
将来的にSteam OSが出てくれば、ALIENWARE ALPHAに搭載することもできます。ただ、Steamには現在、キーボードとマウスがあれば、プレイできるゲームが3500以上もあります。それならば、早く出したほうがいいという結論になりました。
──通常のWindows 8.1搭載のPCとしても使用できるのでしょうか
エイゾール氏:コントローラーを使ってリビングループでプレイできるのがALIENWARE ALPHAの一番の魅力ですが、通常のWindows 8.1も入っていますので、PCとしても利用できます。
──日本独自のゲーム配信サービスとの連携は考えていますか?
ダイアナ氏:オフィシャルな形でサポートしているわけではありませんが、Windows 8.1を搭載していますので、マウスとキーボードがあれば、日本独自のゲーム配信サービスにも対応できます。これは、オープンを信条としているALIENWARE ALPHAならではの特徴です。ソニーやマイクロソフトのゲーム機では大きな縛りがあり、プレイできるゲームとできないゲームがありますが、ALIENWARE ALPHAなら、縛りはありません。
──Xbox OneやPS4との差別化はどこにあるのでしょうか?
ダイアナ氏:ハードウェアの面から言いますと、底面のネジ4本を外すことでユーザーが簡単に内部へとアクセスできます。さらに、ヒートシンクを外せばCPUの交換も可能です。メモリやHDDも同様に交換できます。また、HDDやゲームコントローラー用のUSB端子があります。ユーザーが内部のパーツを交換しても保証がなくなることはありません。さらに、Xbox OneやPS4よりも小さく、それでいてパワフル、1080pの高解像度に対応するのも特徴です。
エイゾール氏:ソフトウェア面では、Steam Workshop(※)によってユーザーがコンテンツ自体に手を加えられるのが魅力です。
※Steam Workshopは、ユーザーが作成したMOD(ゲームの改造データ)をSteamを介してアップロード、インストールできる仕組み。
──日本での訴求方法や、次世代コンソールへの対抗については?
ダイアナ氏:デルとしてはソニーやマイクロソフトからシェアを取りたいということではありません。どちらかというとすみ分けをしていきたいと考えています。プレイできるゲームは異なりますので、理想を言えば、PS4もALIENWARE ALPHAも購入してほしいと思っていますが、実際には用途やプレイスタイルに応じて選んでいただければというスタンスをとっています。
PS4ではなく、ALIENWARE ALPHAを買って下さいというものではなく、ALIENWARE ALPHAがあれば、リビングでゲームもPCも楽しめますよ、1台で2役となりますよ、という形で訴求していきます。ソニーと対抗するという形ではありません。
──ありがとうございました。