理化学研究所(理研)は9月18日、9月12日に先端医療センターにて行った「滲出型加齢黄斑変性に対する自家 iPS 細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究」に基づくiPS細胞移植手術の第一症例目の被験者が同日退院したと発表した。

被験者は既報のとおり、兵庫県に住む70歳代の女性で、術後の経過は合併症などの有害事象の発生もなく良好だという。

また、移植したRPE シートは所定の位置に留まっており異常は見られないとのことだが、研究グループでは、RPEシート移植の安全性や視機能への影響を客観的に評価するためには、約1年間の観察期間が必要だとしている。

なお、手術を行った先端医療センター病院 眼科統括部長/神戸市立医療センター中央市民病院 眼科部長の栗本康夫氏は、「経過も良好で、ひとまず安堵をしている。これからも患者が良好な経過を辿れるよう、診療に最善を尽くしていく」とコメントしているほか、臨床研究としてはこれからが本番となることから、関係機関とも連携を図り、万全の体制で慎重に評価を行っていくとしている。