総務省は2014年7月3日付で、デジアナ変換サービスを2015年3月末で終了することを改めて告知。具体的な終了時期は、ケーブルテレビ局によって異なるとするものの、あと約9カ月で、すべてのケーブルテレビ局がこのサービスを終了することになった。

デジアナ変換サービス利用時に表示される「デジアナ変換」の文字

各ケーブルテレビ局は2013年秋以降、デジアナ変換サービス利用者の画面右上に、「デジアナ変換」の文字を表示している。これが表示されているテレビを視聴している場合には注意が必要だ。2015年3月までに対策を行わないと、デジアナ変換サービス終了後、番組の視聴ができなくなる。

業界団体によると、中小規模のケーブルテレビ事業者の場合、この文字が表示されていないケースもあるという。そのため、デジアナ変換サービスを利用している可能性がある場合には、ケーブルテレビ事業者に確認したほうがいいだろう。

デジアナ変換サービス利用者が採れる3つの対策

デジアナ変換サービスを利用している視聴者は、3つの方法で対策をすることができる。1つめは、現在視聴しているケーブルテレビ局と契約して、デジタルチューナー内蔵セットトップボックスを設置する方法だ。この方法であれば、現在使用しているアナログテレビのまま地デジを視聴できるため、テレビの買い換えという大型出費は免れることができる。

2つめは、テレビそのものを買い換える方法だ。ただし、難視聴地域であるため、アンテナ受信では地デジ放送が見られないために、ケーブルテレビを利用している場合もある。その際には、やはりケーブルテレビを利用するしかないので、これも確認する必要がある。

3つ目は、地デジチューナーを購入する方法。この場合、地デジチューナーを搭載したBDレコーダーなどを購入するという方法もある。

なお、NHK放送受信料の全額免除世帯を対象に、デジタル放送対応チューナーを無償で給付する支援策も用意されている。

一方で、総務省は、地デジ難視対策衛星放送も、2015年3月末で終了すると発表した。これは、2011年7月の地上アナログテレビ放送終了時点で、地上デジタル放送が視聴できない地区に居住している人を対象に、暫定的に衛星放送を利用して地デジ放送を行なうものだが、総務省によると、放送基盤整備が必要な残り世帯数が約7,000世帯となったこと、さらにはこれら世帯への対策が2015年3月末までに終了する見通しであることから、終了を決定したという。

地デジへの完全移行から3年を経過した2014年度。家庭における地デジ化は最終局面を迎える。2011年のようなテレビ売り場の混乱はないだろうが、500万人という規模での対策が必要になるのは事実だ。業界をあげた最後の移行措置が本格化している。