東京都・渋谷タワーレコードのスタッフでありながら、2月にミニアルバム『Bed Room e.p.』でアーティストデビューした21歳の新人歌手 Sakuをご存知だろうか? このデビュー・アルバムはタワーレコード渋谷店・TOWER RECORDS ONLINE限定で販売され、無名ながらもタワーレコード渋谷店ウィークリー総合チャート初登場2位、ウィークリーJ-INDIESチャート初登場1位にランクインを果たした。7月9日には、セカンドミニアルバム『ZOMBIE MORNING e.p.』を発売するSakuに話を聞いた。

Saku
1992年11月19日 生まれ、21歳。現在、「TOWER RECORD渋谷店 外販部」現役スタッフとして勤務中。都内ライブハウス・イベント会場で出張CD即売員として働きながら、渋谷・横浜を中心にライブ活動を展開中。今年春のまとめ買いセールに続き、夏の全国タワーレコード「まとめ買いセール」キャンペーン(開催期間は7月27日まで)のメイン・アイコンにも連続起用される事が決定した注目のシンガー/ギタリスト

――今も現役のタワレコ店員としてお仕事をされているんですよね?どのような経緯でデビューが決まったんですか?

ライブ会場などでCDを出張販売する、タワーレコードの販促担当として働いています。デビューのきっかけは、その現場でタワーレコードの本社の方とお話をする機会があって、インディースデビューが決まったんです。

――もともと歌手としてデビューしたいという気持ちはあったのですか?

はい。中学生の頃は、女の子ふたりでフォークデュオを組んだり、高校生のときは男の子たちとバンドを組んだりしながら、色々なオーディションを受けていました。そして、バンド解散後は、自分ひとりでもオーディションを受けるようになって。

高校1年生の時、オリジナル曲が5曲くらいしかなかったのですが、レコード会社のオーディションにひとりで応募したら、最終審査まで進んだんです。担当の方にも気に入ってもらえたので、デビュー出来るかも! って思ったんですけど。そんな甘くはなかったですね(笑)

その後、高校3年生のときに出場した「横浜ハイスクールミュージックフェスティバル」で決勝まで進むことができ、横浜アリーナのステージで歌うことができたんです。そのときに、より強く「プロとしてやっていきたい」と思うようになりましたね。

――なるほど。なぜタワレコで働こうと思ったんですか?

大学生になってから、今まで以上に幅広いジャンルの音楽を聴くようになり、"もっと(色々な音楽を)知りたい"という衝動にかられたからなんです。で、どうしても働きたいという想いを伝えるためには、自分で履歴書を直接渡しにいった方がいいと思い、直接渡しに行ったんです。

――タワレコの本社にわざわざ履歴書を出しに行ったんですか?

あっ本社じゃなくて、タワーレコードの渋谷店のレジの方に「履歴書です」って渡したんです(笑)。履歴書で落とされる人もかなりいるとのことだったので、志望動機などもぎっしり書いて。

――店長さんでもなく、レジの方に渡したんですか?

はい、レジの方に渡しました(笑)。でもちゃんと渡してくれたみたいで、その後「面接しましょう」という電話がかかってきました(笑)。

――店舗スタッフではなく、外販部を志望した理由を教えてもらえますか?

実は、販促が何をやるかイマイチよく分かっていなかったんです。渋谷店のイベントスタッフをやるのかな?くらいに思っていたんですよ(笑)。

――やはりタワレコで働いている方は音楽に詳しい方が多いですか?

多いですね。働き始めてから、色々な音楽を聴くようになって。音楽の幅が広がりましたね。先輩に「オススメの楽曲を教えてください」って言うと、そのオススメ楽曲の背景まで教えてくれて。それが嬉しかったですね。

――そうやって色々な音楽を聴き、今のようなサウンドに辿り着いたわけですね。

そうですね。大学に入るまでに、松任谷由実さんやジョン・メイヤーなどを聴いてきましたが、私が幼稚園のときにお父さんが車の中で聴いていたPizzicato Fiveには今でも強い影響を受けています。

そしてPizzicato Fiveの楽曲の背景にある音楽のルーツなどをタワレコの皆さんに教えてもらえ、より音楽の深さを知るキッカケにもなりました。楽曲制作については、今のところ、渋谷系のテイスト+UKロックや、UKインディーズロックといったインディー感を出したくて、色々試行錯誤しているところです。作詞に関しては、今は「ガーリーでワガママな女の子」をテーマにしていますね。

――楽曲制作は集中して考えるタイプですか?それとも普段の生活のなかでパッと思いついたときに書き留めておくタイプですか?

すぐに思いついたときは携帯のメモに書いて、ノートにまとめています。メロディは思いついたらボイスメモに録音しています。友達といるときに良いメロディが浮かんだときなんかは「ごめん! ちょっとトイレに行ってくる」ってトイレで録音したりとかしていますね(笑)。

――今後のアーティストとしての目標を教えて下さい。

目標は地元でもある横浜アリーナで単独ライブを行うことですね。それに向けて頑張っていこうと思っています。楽曲の方向性については、あんまり自分の幅を決めすぎずに、色々な音楽を聴いて吸収して、純粋に"かっこいいと思うこと"に目を向けていければと思います。その結果、気づいたら、楽曲がロック調になっていくかもしれませんし(笑)。

2nd mini album 「ZOMBIE MORNING e.p.」
2014年7月9日発売
税別1,000円

1.ZOMBIE MORNING
2.走る少女
3.ジェニーはご機嫌ななめ
4.1st Q&A