テスト結果の算出方法
では実際にどんな感じのスコアになるか、を実機でちょっと確認してみたいと思う。テストにはCore i7-4770KとA10-7850Kを利用し、Sky Diverを含む3DMarkの全テストを実施してみた。テスト環境は表に示す通りで、どちらも内蔵GPUを使っての比較である。
■表 今回のテスト環境 | ||
CPU | Intel Core i7-4770K | AMD A10-7850K |
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M/B | ASUSTek Z97-Deluxe | ASUSTek A88XM-A |
BIOS | BIOS 1008 | BIOS 1501 |
Driver | Intel Chipset Software V10.0.14 | AMD Chipset Driver V8.0.916.0 |
Memory | XMP-1866 CL10 16GB (Corsair VENGEANCE CMZ16GX3M2A1866C10 8GB×2) | |
Graphics | 内蔵GPU | |
Graphics Driver | Intel Graphics Accelerator Driver V10.18.10.3621 | Catalyst 14.4 |
Storage | Intel SSD520 128GB(System) + HGST HDP725050GLA360 500GB(NTFS) | |
OS | Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1 |
FutureMarkのTechnical Guideによれば
- AMD A10-7850KとかIntel i5-4570RなどのGPU内蔵Desktop向けCPU
- AMD A10-5757MとかIntel i7-4750HQなどのGPU内蔵Mobile向けCPU
- AMD R7 M265とかNVIDIA GT 840Mなどの、Mobile向けDiscrete GPU
- AMD R7 240などの、Desktop向けのエントリーレベルDiscrete GPU
がSky Diverの実施に適しているとの事なので、ちょうど良い比較になるのではないかと思う。
まずグラフ1がSky Diverの結果である。PhysicsのみCore i7-4770KがA10-7850Kのダブルスコアで、ほかはA10-7850が5割ほど高い結果になっているが、これは両CPUの実力を考えると、割と妥当な数字ではないかと思う。
ついでに、グラフ2~グラフ7に、従来の3DMarkの結果も示したが、大体どれも同じでPhysicsのみCore i7-4770Kが高いスコアを出すが、全体としてはA10-7850Kが有利という結果になっている。
これで終わるのも何なので、もう少し細かく見てみた。まずグラフ8が、Game Testの結果をそれぞれ示したものだ。Ice Stormだとフレームレートが100fpsを軽く超えており、明らかに負荷が足りない。特にUnlimitedのGame Test 1だと500fps超えとかになっており、そろそろテストには完全に不向きな領域に入っている。
その一方、Fire Strikeでは軒並み10fpsを切っており、特にExtreme Profileだと1fpsを切りかねないほどに負荷が高い。これはこれでベンチマークにはまるで不向きな数字である。そう考えると、ベンチマークとしてはCloud Gate~Sky Diverあたりが妥当な数字に落ち着く負荷と考えて良いかと思う。
次がPhysics(グラフ9)。意外にCloud Gateの負荷が高いのが驚きで、その意味ではバランスが悪いように感じる。Sky Diverは? というと、section0(8 Thread)~section 3(96 Thread)の4つの結果があるが、A10-7850Kのseciton 3の数字が0なのは、おそらくsecion2が30fpsを切ったので、打ち切ったという話ではないかと思う。ただ数字的にはずっとバランスが良い様に感じる。
最後がCombined Test(グラフ10)で、Fire StrikeはとにかくGPU側の負荷が高すぎて数字が1~2fpsの範囲なのに対し、Sky Diverは手頃な結果に収まるように、うまく負荷が調節されていると感じる。
ということで、簡単に3DMark Sky Diverを御紹介した。Fire Strikeよりももう少しGPU負荷の低い、手頃なベンチマークという位置付けを狙ったものだが、結果もこの位置づけがうまくできている様に感じる。そんな訳で、今後はこれを使ったベンチマーク結果も頻繁に出てくることになるだろう。