SNSで「いいね! 」やコメントがつくモテモテな投稿の秘訣は写真。「では早速、スマホで撮影して投稿」…… ちょっと待って! モテ写真には被写体や撮り方に法則が。女性ライターがSNSで人気を博すためのヒケツを追求し、紹介したいと思います。今回は「レタッチして写真不必要なものを消す方法」について。

撮影場所の関係でどうしても入ってしまう、または撮っていた時は気づかなかったものの後で大きなサイズで見てみたら映り込んでいた、なんてことはありませんか? 「これさえなければなあ」と思ってしまう、写真としてはジャマな存在ってありますね。たとえば風景写真の中の電信柱や電線、怪しい広告の看板、取りたい人物の後ろに写りこんだ知らない人、など。「これさえなかったらSNSにアップしたいのに」と思うことは誰しもあるはず。

写真のジャマ物を消すのは、全部は無理だけど大抵の場合、実は可能です。PCで写真データの修正を行なう場合は「Adobe Photoshop」などのレタッチソフトが有名ですが、スマホの場合も不要部分を自然な感じで消せる専用のアプリがあるのです。それでは、今回はそのアプリと消し方を説明していきましょう。

アプリ「Touch Retouch」で不要部分を囲ってタップ

「Adobe Photoshop」で使われるポピュラーな消し方は、「いらない部分を囲って、選択範囲の外側と同じ色・トーンにする」というもの。これと同様のことをスマホアプリで可能にしたのが「Touch Retouch」です。アプリの価格は102円と有料ですが、写真の解像度に制限がある無料版も出ているのでこちらを先にインストールして試しに使ってみてもいいでしょう。

使い方の基本は下メニューの右側にある投げ縄ツールで消したいものを囲むか、筆ツールを使って塗りつぶし、再生ボタンをタップするだけ。継ぎ目や削除跡を残さないよう修正してくれるので、修正前と修正後の写真を比べて見ても違和感ありません。

写真内の不要な要素を簡単な操作で消せるレタッチアプリ「Touch Retouch」。メニューの要素が少なく使いやすい

春のうららかな風景の右端に黄色い支線カバーが。日常生活においては必要な存在だが、写真的には残念な感じ。これを消してみよう

写真データを「Touch Retouch」で開いて消したい部分を拡大し、投げ縄ツールか筆ツールで塗りつぶして範囲指定を行なう

塗りつぶした後、再生ボタンをタップしたらこの通り。支線カバーがなくなっている

修正前(左)と後(右)。自然に消せているのが分かるだろう

形状や背景が単純なら簡単に修正可能

「Touch Retouch」を使った不要部分を消すレタッチのポイントは、「消す対象をうまく囲む(塗りつぶす)こと」と「背景が複雑でないこと」のふたつです。消す対象を囲む時は完全に輪郭に沿って囲む必要はないのですが、消したくないものまで入れてしまうと当然アウト。消したい物と消したくない物が組み合わさっている複雑な形状というのは修正しづらいようです。

また、アプリは背景パターンを取り入れて修正部分に乗せるという仕組みなので、空や静かな海などのように比較的メリハリが少ないものだと背景パターンが取りやすく自然に見えるのですが、パターンを取りづらい複雑な形状のものが背景にあると難しいようです。

写真からフォークを消したところ今度はお皿の端が変形。細かい背景はサンプリングできても、物体のフォルムを修正部分で再現するのは難しい

逆転の発想で空中浮揚な写真もきれいな自撮り写真も作れてしまう

さて、不要な物をアプリで消す方法について説明してきましたが、「Touch Retouch」でちょっとおもしろい写真加工もできます。例えば、台の上に置くもしくは上から糸でつるした被写体を撮影し、台や糸をアプリで消してしまえば簡単に空中浮揚写真が完成します。スタンドに立てたプラモデルを撮って、スタンドを消すという使い方もできそうですね。

また、女性にとってうれしいのは、自撮り写真のニキビ跡やシミ、肌の色味の違いを消すのも「Touch Retouch」でできてしまうこと。気になる部分を細かく囲んで消せば修正可能。あまりに加工しすぎる写真は「現実と違いすぎる! 」と見る人にあきれられてしまうことがよくありますが、「Touch Retouch」で気になる部分だけ消せば自然な雰囲気を残したままの修正も可能です。

つるしているヒモを消せば、空を飛んでいる写真に。工夫次第でオモシロ写真が作成できる

肌のシミ・ソバカス、ニキビなども拡大して筆ツールで点を書くように塗りつぶして修正すれば肌の悩みも写真の上では解決可能だ

「写真から消す」というのはレタッチ経験がない人にしてみると本当にできるのか疑問に思うものの、「Touch Retouch」を使って実際にやってみるとけっこう簡単です。また、光効果やスタンプのように「入れたい要素を加える」だけでなく「いらない要素を引く」という引き算の発想を写真に取り入れることで、表現の幅を広げることができるかと思います。

写真に写りこんだジャマ物を消したい方はもちろん、ちょっとおもしろい写真を撮ってみたい人は、まず無料版からでも「Touch Retouch」を利用してみてはいかがでしょうか。