日立アプライアンスは24日、5.5合IHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-VW3000M」と2合IH炊飯器「おひつ御膳 RZ-VS2M」を発表した。同日、東京都内で報道関係者向けに新製品発表会を開催。発表会では、新製品のコンセプトや開発の背景、製品の特長などについて説明がなされた。
発表会には、日立アプライアンス 取締役 家電事業部長 松田美智也氏と同社 商品計画本部 キッチン商品企画部 伴秀樹氏、同社 家電事業部 多賀家電本部 第三設計部 鈴木利明氏が登壇した。
少量炊きをもっとおいしくする炊飯器
はじめに登壇したのは、松田氏。少人数世帯の増加や家庭内の食事時間の分散によって、「少量炊飯」へのニーズは高まっている。そこで、今回発表した「ふっくら御膳 RZ-VW3000M」、「おひつ御膳 RZ-VS2M」では、少量でもおいしく炊飯できるということを製品コンセプトにしたという。
日立アプライアンス 取締役 家電事業部長 松田美智也氏 |
世帯人数に関係なく、少量炊飯へのニーズは高い |
14年度は駆け込み需要の反動で需要が落ち込むとされているが、高級タイプは微減にとどまると予想される |
続いて、伴氏が登壇した。伴氏は同社が行った顧客へのアンケート調査の結果を説明。調査によれば、2合以下の少量で炊飯する人が51%と全体の5割を占めた。その一方で、少量での炊飯はおいしく炊けないというイメージを持っている人が約6割いた。続いて、購入した機種を選ぶ際にどこを重視したかについて調査したところ、「おいしく炊ける」と回答した人が9割だったと伴氏は語る。特に、2008年発売の機種から少量炊飯に対応してきた同社は、「少ない量がおいしく炊ける」という点で高い評価を得ている。
これらの結果を踏まえて、2014年度の新製品は「おいしい少量炊飯」をコンセプトに製品開発が進められた、と伴氏は言う。
少量炊いても5.5合炊いてもおいしいご飯を炊ける「ふっくら御膳」
鈴木氏からは技術面での説明があった。おいしいご飯を炊くには高温のキープが不可欠だが、大きな容量の炊飯器で少量の米を炊くと、余分な空間が大きいため高温をキープしにくい、と鈴木氏は語る。「ふっくら御膳」では、「大火力側面ヒーター」を採用することで内釜の内部を高温に保ち、少量でもおいしいご飯を炊けるようになったと言う。
卓上であつあつご飯をほお張れる「おひつ御膳」
「おひつ御膳」は、熱源部からおひつ部分が分離し、持ち運べるのが特長の炊飯器。熱源部から離しても、「全周断熱構造」による優れた保温能力で約2時間は70度をキープすると鈴木氏は説明。「全周断熱構造」は、内釜の周囲に多層的に断熱加工が施された構造のことで、同社が冷蔵庫で培った技術も活用されている。
本当に少量炊きでもおいしいのか
実際に"少量"で炊いたご飯を試食することができたので、その様子をお届けしよう。
試食した感想だが、「ふっくら御膳」で炊いたご飯は、口に入れても米の一粒一粒がしっかりとしていて噛むほどに旨みが感じられる炊き上がりだった。一方の「おひつ御膳」で炊いたご飯は、しゃっきりというよりはもっちりとした食感。