スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「OS」についてです。
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OSはオペレーションシステム(Operation System)の略称で、ハードウェアとしてのコンピュータを制御し、ソフトウェア(アプリ)の基本機能を提供する役割を果たします。スマートフォンに搭載されているOSは、モバイル通信や省電力など小型端末ならではの機能が盛り込まれていますが、パソコン用OSで培われたノウハウを生かす形で開発が進められた経緯があります。
OSはハードウェアの制御だけでなく、外観や操作性を含めたアプリの基本機能を提供します。OSの処理性能が高ければアプリも高速に動作し、描画機能が充実していれば高度な画像処理を伴うアプリを開発できます。OSを開発する企業には"アプリを組み立てるための部品"を供給する役割があり、その部品には性能と先進性が求められているのです。もっとも、スマートフォン用OSは端末とセットの状態で出荷され、OS単体では選定の対象にならないため、端末(ハードウェア)と一体で語られることが多いことも事実です。
高性能で先進性があるだけでは、スマートフォン用OSとして不十分です。堅牢性(セキュリティの高さ)、クラウド対応などネットワーク連携サービスの充実、アプリストアやおサイフケータイなどの決済機能、アプリ開発のしやすさも、OSの完成度/熟成度を測るめやすとなります。
スマートフォンに採用されているOSといえば、Android端末の「Android OS」とiPhoneの「iOS」が圧倒的なシェアを誇ります。日本国内でのシェアはわずかですが、ブラックベリー端末の「BlackBerry OS」、Windows Phoneの「Windows Phone OS」などもあります。WEBブラウザ/HTML5の技術を生かした「Firefox OS」、同様にWEBとの親和性が高い「Tizen」を採用した端末も、今後国内向けに販売開始されるかもしれません。
(記事提供: AndroWire編集部)