Challenge Based Learningの実践

コルベで取材した最後の授業は、Challenge Based Learning(CBL)だ。学びのイノベーションの象徴的な手法としてコルベで取り入れられており、世界中でこのプログラムを採用している高校とも連携しているという。日本では、こちらもテクノロジー活用に積極的な品川女子学院と連携をしている。

CBLとは、テクノロジー活用を前提とした自由度の高い学習の手法だ。Webサイトでは、コラボレーションを主体として、グローバルの課題を決めて、自分たちの身の回りで行える解決方法を考え、実践する。この流れを通じて、21世紀の視点やコミュニケーションを主体とした問題解決などのスキルを学ぶものだ。

Challenge Based Learningの初回授業。生徒にどんな課題を設定するか、紹介する萩原氏

課題の例は、気候変動や公害、高齢化社会、機会均等、エネルギー問題など、多岐にわたる。こうしたグローバルの問題を設定した上で、自分や身の回りのコミュニティでの活動によって、これらの問題を解決すべく、グループで取り組んでいく学習がスタートする。 取材した日は、ちょうどCBLのキックオフの日で、1つの学年全体の生徒と教員が参加して冒頭の説明を受けた後、4人1組になってそのグループが選ぶ課題を決めるために一度解散した。生徒は説明があったホールから校庭へ出て、思い思いの場所でMacを広げながら、課題を決める議論を繰り広げていた。

CBLのなかで、テクノロジーの深い活用は前提にあるが、あくまでツールの1つとして位置づけられている。その点も、iPadやMacBookを全校に導入するコルベのスタイルに非常に適合するものだ。

ガイダンスの後、4人1組のグループで、どんな課題を設定するかを議論した。ホール内やホールの外で議論を進めるグループもあった。およそ20分でホールに再び集合し、その日は解散となった