JVCケンウッドは6月5日、コンパクトコンポーネントシステム「EX-HR9」「EX-HR7」「EX-HR5」を発表した。発売はEX-HR9とEX-HR5が6月中旬で、EX-HR7は8月上旬となっている。価格はオープンで、推定市場価格はEX-HR9が110,000円前後、EX-HR7が100,000円前後、EX-HR5が80,000円前後(いずれも税別)。

上段が「EX-HR9」で、下段左から「EX-HR7」「EX-HR5」

3モデルとも、木を振動板に採用したウッドコーンスピーカーを搭載するオーディオシステム。木は音の伝わりが速く、振動を吸収しやすいうえ、共振が発生しにくい特性を持ち、スピーカーにとって理想的な音響特性を持つ素材という。また、高効率かつ高精度な信号増幅が可能な新デジタルアンプ「DEUS」や、新デジタル高音質化技術「K2 テクノロジー」を搭載。スタジオのマスターサウンドに近付けた再生を可能にする。

EX-HR9では、9cm異方性振動板のフルレンジウッドコーンスピーカーを採用。音の伝播速度向上が図られている。また、大型のメインマグネット、ユニット磁気回路の後部に装着されたメイプル材の大型八角形ウッドブロックにより、低域再生が強化された。そのほか、キャビネットにはチェリーの無垢材が、ボイスコイルボビンには薄さ80μmに削り出しされた木が、ポールピース上部の吸音材に用いられたメイプル材など、木がふんだんに使われている。

EX-HR7は、11cmウーファーと2cmツイーターを採用する2Wayスピーカー搭載モデル。ウーファーは、音場を大きく、解像感を向上させるチェリー材の薄板シートが装着された異方性振動板が採用されている。ツイーターのエッジ素材にはシルク繊維が、ボイスコイルには99.9999%のOFCボイスコイルワイヤーが採用され、ツヤと伸びのある高音再生を実現。スピーカー内部では、メイプル材のチップを吸音材に採用し、楽器が分離したクリアで解像感の高いサウンドを奏でる。また、ウーファー、ツイーターの磁気回路後部には、EX-HR9と同様に八角形チェリー材ウッドブロックが採用されている。

なお、EX-HR9とEX-HR7は、ビクタースタジオのエンジニアの協力によるサウンドチューニングが施されており、スタジオのマスタークオリティが再現されている。

EX-HR5は、響きの良い無垢材のキャビネットと8.5cmウッドコーンを採用するモデル。キャビネット内部に配置されたチェリー材の響棒が、キャビネットの剛性を高めつつ、豊かな音場を作る。また、スピーカーユニットの磁気回路後部に装着されたウッドブロックが、不要な振動を抑え、迫力ある低域を実現する。

スピーカー以外の主な仕様は共通で、アンプ部の実用最大出力が50W×2(JEITA4Ω)、音声入力インタフェースがアナログ×2系統、デジタル×2系統(光×1系統、同軸×1系統)、音声出力インタフェースがアナログ×1系統。そのほかサブウーファー出力、ヘッドホン出力(ステレオミニ)、USBポートをそれぞれ1つ備える。音楽CD、CD-R/RW(MP3、WMAに対応)のほか、USB経由でMP3、WMA、AACファイルの再生が可能だ。USBポートにはiPhoneやiPodの接続のほか、USBマスストレージクラスにも対応する。FM/AMラジオチューナーも搭載。

サイズはセンターユニットがW280×D289×H115mm、EX-HR9のスピーカーユニットがW120×D264×H161mm、EX-HR7がW149×D249×H262mm、EX-HR5がW120×D246×H161mm(いずれも1本)。センターユニットの重量はEX-HR9が4.2kg、EX-HR7が3.4kg、EX-HR5が3.2kg、スピーカーユニットの重量はEX-HR9が2.2kg、EX-HR7が4.2kg、EX-HR5が1.8kg(同)となっている。