デジタルカメラやビデオカメラ、ノートPCなどの記録メディアとして、SDメモリーカードを利用している人は多いと思う。コンパクトで扱いやすいが同規格だが、4K解像度の撮影に対応する製品が多数登場するなどデータの大容量化が進む昨今、規格上の最大容量が2GBというのはやはり少ない。

そんな中、市場でひとつの主流となっているのが最大32GBのSDHC規格のカードで、2,000円を切る手ごろな価格のものが多数提供されている。さらに最近は、最大2TBの記録容量を実現したSDXC規格のカードも続々と登場している。

本稿で紹介するKingston Technology製の「UHS-I Speed Class 3 (U3)」は、そんなSDHC/SDXC規格のカードで、最大104MB/secの転送速度を実現した「UHS-I」規格に対応する点が特徴だ。

KingsotnのSDHC/SDXC「UHS-I Speed Class 3 (U3)」の32GBと64GBモデル

大容量かつ高速転送を実現したKingston製SDHC/SDXCカード

今回紹介する「UHS-I Speed Class 3 (U3)」が、最大104MB/secの「UHS-I」に対応カードであるのは前述の通り。加えて、製品名にも記載されているが、読み書きにおいて最低で30MB/secを保証する「UHS スピードクラス 3」をサポートしている。

同社の仕様では、読み取り速度は最大90MB/sec、書き込み速度は最大80MB/sec。標準的なSDスピードクラス10(読み書き10MB/sec保障)のSDカードと比較し、読み取り速度は最大9倍、書き込み速度は最大8倍まで高速化できるという。

従来のSDカードより格段に高速化した「UHS-I Speed Class 3 (U3)」だが、一点気をつけておきたいことがある。それは、UHS-Iの高速データ転送は対応機器でないと味わえないという点。非対応の機器で利用した場合、SDHC規格のSDスピードクラス10(10MB/sec)と同等の速度となってしまうのだ。

なおラインナップは、SDXC規格の64GBモデル、SDHC規格の32GBおよび16GBモデルの3種。販売価格は64GBモデルが10,000円前後、32GBモデルが32GBおよび16GB、16GBモデルが4,000円前後となっている。

ベンチマークの結果やいかに?

ここまで「UHS-I Speed Class 3 (U3)」の仕様を紹介してきた。続いて、UHS-I対応のUSBメディアリーダー「FCR-HS3」(Kingston製)を利用し、実性能をベンチマークしてみたので紹介しよう。

キングストンのUHS-I対応のUSBメディアリーダー「FCR-HS3」。USB 3.0に対応しておりUHS-Iの高速転送の恩恵を存分に受けることができる

ベンチマークは「CrystalDiskMark 3.0.3 x64」で計測。「UHS-I Speed Class 3 (U3)」(32GB)とクラス6のSDHCカード(4GB)を比較した。

テストに使用したメモリーカード2種類とカードリーダーのFCR-HS3。UHS-IとUSB 3.0に対応していることが重要

以下の結果を見て見もらえばわかるが、クラス6の通常のSDメモリーカードは、シーケンシャルで読み込みが23.53MB/sec、書き込みが10.71MB/sec。一方の「UHS-I Speed Class 3 (U3)」は、シーケンシャルで読み込みは96.10MB/secと4倍以上、書き込みは84.54MB/secと7倍以上の数値を叩き出した。

クラス 6のSDHCカードの結果

「UHS-I Speed Class 3 (U3)」のパワーを見てくれ!

ちなみにこれらの結果は、カードリーダーをUSB 3.0ポートに接続した際の結果であることに注意したい。試しにUSB 2.0ポートに接続して「UHS-I Speed Class 3 (U3)」を計測してみたが、結果はシーケンシャルで読み込みが34.74MB/sec、書き込みが29.93MB/secと大幅に落ち込んだ。USB 2.0は転送速度が480Mbpsまでとなっているためだ。せっかくのUHS-Iなのだから、USB 3.0ポートに接続することを忘れないように。

高スペックのメモリーカードがお手軽に手に入る時代に!

ベンチマークの結果から「UHS-I Speed Class 3 (U3)」が従来製品と比較し、格段に高速化したSDメモリーカードであることがおわかりいただけたと思う。これからデジタルカメラなどを購入する人は、UHS-Iに対応するか事前にチェックしておくとよいだろう。

大容量かつ高速データ転送を実現した「UHS-I Speed Class 3 (U3)」。冒頭で触れた4K撮影に対応した製品などで利用するのに最適な製品と言えるだろう。