「YouTuber」をご存知だろうか。

動画共有サイトのYouTubeに動画を投稿し、人気者になっている人々のことだ。動画の内容は日常のちょっとしたことから、話題の製品のレビュー、イベントレポートなど多岐にわたっている。

筆者はそんなYouTuberたちを「いいなあ……」と羨望の眼差しで見つめてきた。といっても、別にYouTuberになるのにお金がかかるわけではない。投稿するだけなら無料だ。つまり、人気者になれるかどうかはセンスなのだ。

それなら挑戦してみようじゃないか!

ということで、人気YouTuberを目指して、動画を撮ってみることにした。まずはどんな動画を作るかを考えなければ……。YouTuberの動画を見ていると、ある共通項があることに気づく。それは「自分自身が動画に映ってしゃべっている」ということだ。そのためにYouTuberたちは、液晶画面が動くデジカメやビデオカメラを使って、映像と自分を一緒に撮影していることが多い。

筆者もそれをやってみようと思ったが、腕をまっすぐ伸ばして自分と被写体を一緒に撮影するのは、なかなかにハードルが高いのだ。定点での固定カメラ撮影ならともかく、カメラを持って歩こうものならすぐフレームアウトしてしまう。

「PowerShot N100」

そこで今回、用意したのがキヤノンから発売中の「PowerShot N100」というデジカメ。パッと見はごく普通のコンパクトデジカメに見えるが、実は液晶画面側、つまり手前にも小さなレンズがついていて、前方と後方を一緒に撮影することができるのだ。手前のカメラで撮った写真・映像は、テレビのワイプのような形で四隅に配置できる。画面をタッチすることで、大きさも3段階から変更可能だ。これなら前方を撮影しながら自分も同時に撮れるから、YouTuberにもピッタリなんじゃないか。

こんな風に映せる

公式サイトによると、家族で写真を撮るときに撮影者も一緒に写れますよというコンセプトらしいが、今回はそれを一人で活用しようというわけだ。PowerShot N100は、YouTuber用の機材としてどれくらい使えるだろうか。実際に試してみることにした。

今回訪れたのは、六本木で開催された「アートナイト」というイベント。六本木の町を舞台に土日の2日間にわたって行われ、特に土曜の夜はオールナイトで様々な展示やパフォーマンスなどを楽しむことができる一年に一度の祭典だ。

このアートナイトをレポートすべく、PowerShot N100を持って、日曜日のお昼に出かけてみた。

六本木についたら、まずはカメラの設定をチェック。このカメラの本命機能である「デュアルキャプチャー」は、背面右上のスイッチを切り替えることで使えるようになる。これで通常のシャッターボタンを押せば静止画が、ムービーボタンを押せば動画がデュアル状態で撮れるというわけだ。操作は直感的でとてもわかりやすい。

【左】右上にデュアルキャプチャーの切り替えスイッチがある 【右】軍艦部には電源ボタン、シャッターボタン、ムービーボタン、内蔵ストロボ、マイク

【左】電源を入れてレンズが繰り出すとこんな感じ。起動時間も速い 【右】コンパクトなのでずっと持っていても苦にならない

さっそく手に持って歩いてみる。

PowerShot N100の重量はバッテリーとメモリーカードを含めて289g。一眼レフに比べれば圧倒的に軽いが、コンパクトデジカメとして考えると見た目よりもずっしりとしている。中に精密部品が詰まっている感がすごくあって、悪くない感じだ。

出発だ