新製品は特に画質・音質・利便性の向上にこだわりを持って作られている。画質面では、新たに高輝度技術「X-tended Dynamic Range PRO」「X-tended Dynamic Range」を採用(X9500B/X9200Bシリーズ)。これは、バックライトをコントロールし、画面の暗い部分の電力を明るい部分に振り分けることで、暗い箇所をより暗く、明るい箇所をより明るくする技術だ。「人の肌がより艶やかに表現できる。X9500Bシリーズは直下型バックライト方式なのでより緻密なコントロールができ、明るい箇所に最大3倍の電流を集中できる。画面内で電流を移動するだけなので、消費電力は変わらずエコなのが特徴だ」と本多統括部長は説明した。

新開発の「X-tended Dynamic Range PRO」「X-tended Dynamic Range」により、X9200Bシリーズでは最大約2倍、X9500Bシリーズでは最大約3倍の電流を明るいところに集中することで、高輝度・高コントランストを実現した

音質に関しては、独自開発のデジタル音声信号処理技術「ClearAudio+」を全機種に搭載したほか、X9200Bシリーズでは新たに「Wedge Design」を採用し、デザインと性能の融合を図っている。「下部に厚みを持たせる"くさび型(Wedge)"を採用することで2つのメリットが生まれた。1つは、低重心で安定性が増したことにより脚部を小さくでき、これまで載せられなかった幅の狭いテレビ台が使えたり、部屋の壁により近づけられるなど、レイアウトの自由度が増すこと。もう1つは、スピーカーボックスの容量を従来より1.5倍に拡大できたこと。前年モデルはサブウーファーを背面に設置し部屋の壁面に反射させていたが、新モデルでは前面に配置したため重低音の音質が格段に上がっている」(本多統括部長)。

X9200BシリーズではWedge Designの採用でスピーカーボックスの容量を1.5倍にし、重低音の音質を格段に向上させた

利便性の向上では、電源オンからの立ち上がりや表示コンテンツの切り替えのスピードアップを図っている。また、従来の赤外線リモコンに加え、リモコンをテレビ画面に向けなくても操作できる2.4GHz帯の無線を利用した「タッチパッドリモコン」を全機種に付属した。タッチパッドリモコンでは、テレビ画面に表示される番組チェックのサムネイルなどを、スマートフォンのように指1本でスライドしたり、フリックすることで直感的に操作できる。

タッチリモコンを付属し、インターネット動画や写真などテレビ放送以外のコンテンツへのアクセス性を高めた

本多統括部長は、「4Kテレビは単に画素が4倍になっただけでなく、映像と音が一体になった臨場感と快適な操作感を合わせたプレミアムモデル。それを理解してもらうには、実際に体験してもらうことが重要となる。店頭、ショールーム、街頭イベントなどユーザーの接触機会を増やしていく」とする。なお、ソニーは2014年7月をめどにテレビ事業を分社化するが、本多統括部長は「グループ内の組織の問題であり、営業活動には影響しない」と語った。

すっかりソニーの4Kテレビのシンボルとなった画面両サイドへのスピーカー配置は、X9200Bが継承する。サイズは65V型、55V型を用意。横から見ると下が幅広のくさび型となっており、設置性が増している

X-tended Dynamic Range PROを採用したX9500Bでは、明るい部分をより明るく、暗い部分をより暗く再現できる。人物に当たるスポットライトの光源の位置まで分かる臨場感は驚きだ