BCNは11日、消費増税による駆け込み需要の概要と、その反動が色濃く出る4月第1週の速報値を発表した。主要デジタル製品の30カテゴリ中、26カテゴリで3月の台数実績が前年を超えたものの、4月第1週には22カテゴリで前年割れ。駆け込み需要の反動が確実に出ていることが分かった。

これは、BCNが全国22社の家電量販店、およびWeb通販企業2,431店舗のPOSデータを集計している「BCNランキング」を分析したもの。駆け込み需要で特に伸び率が大きかったのが、業務系ソフトだ。3月は数量で前年同月比241.8%増、金額で371.2%増となり、4月になっても数量・金額とも伸び続けている。

道越一郎アナリスト

森英二アナリスト

液晶テレビも3月は台数で39.0%増、金額で67.9%増と伸長したものの、4月になると台数・金額ともに大幅減少に転じた。BCNの道越一郎アナリストは、「液晶テレビはもともとが回復基調だったところに、増税前の追い風が吹いて大幅アップとなった。反動でマイナスとなったが、ここがボトムになって2~3カ月で回復基調へと戻るだろう」と説明した。

BCN指数(主要デジタル116品目の平均単価と販売金額の前年比)で見ると、昨年11月から消費増税の影響で販売金額が上向き始めたことが分かる

昨年11月からの時系列で見ると、「パソコン」カテゴリではWindows XPサポート終了に関係のないMacも、3月に大きく伸びた反動で4月には前年割れ。Windows、Macともに、駆け込み需要とその反動が大きかったことが見て取れる。

デスクトップPCが4月になってもマイナスになっていない理由は、「Windows XPが登場した2001年に20万円したデスクトップが、今は10万円前後で購入できる。その割安感で売り上げが維持できている」(道越アナリスト)としている。「デジタル家電」カテゴリでは、電子ピアノの大きな落差が目立つ。子どもの新入学(4月)に合わせて、3月末までに購入してしまおうという動きが活発化した反面、4月には単価が大きく下がったとする。

平均単価が軒並み下落する中、レコーダーは比較的に維持できている