「Ring」という指輪型のウエアラブルデバイスが再注目されている。日本のベンチャー企業ログバーが2013年10月にコンセプトムービーを発表し、3月1日に米クラウドファンディングサイト「Kickstarter」に出品した。指輪をはめた指で空中にジェスチャーを描くだけで接続デバイスの操作が可能とあって、コンセプトムービーが開始された当初から「魔法のリング」として注目されていたデバイスだ。

指輪型ウエアラブルデバイス「Ring」

この「Ring」が、3月25日・26日に東京・ミッドタウンで開催されたウェアラブルテクノロジー・カンファレンス「Wearable Tech EXPO in TOKYO 2014」で初の実機デモンストレーションが行われたほか、27日より開催中のApple製品展示会「MacWorld | iWorld 2014」でも展示されており、再注目を浴びている。本稿ではこの2日間で「Ring」を知った方向けに、製品の概要を紹介していこう。

Ringの装着イメージ

「Ring」って一体何?

「Ring」は内蔵モーションセンサーで指の動きを検出することで、Bluetoothで接続したAndroid/iOS端末などのデバイスをコントロールできる、ウエアラブルデバイスだ。Kickstarterの紹介ページによると、ジェスチャーで家電の操作や空中での文字入力、料金の支払い、メールやカメラアプリの起動、LEDと振動によるアラート通知などが行える。

Ringの特徴

冒頭に記したイベントでのデモンストレーションでは、空中に指で文字を書いたり、カメラを起動させ撮影するなどの操作が披露された。紹介ページでは、空中に指で四角を描くとメールが、音符を描くと音楽用アプリが、カメラの形を描くと接続先のデバイスでカメラが起動するなどの利用法が紹介され、既に開発者向けにジェスチャー機能用のAPI/SDKが公開されている。

本体にはバッテリ、モーションセンサー、LED、、タッチセンサー、Bluetooth Low Energy(BLE)、バイブレーション(振動モジュール)を内蔵。直径サイズは6種類を用意し、最小サイズはUSサイズで7か8を予定という(プロトタイプの最小は9)。バッテリ駆動時間は、1度のフル充電で約1,000ジェスチャー。今後防水モデルやカラーリング展開も検討されるという。

対応デバイスは、iOS 7以上のiPhone/iPad/iPod Touch、Andorid OS 4.4以上のAndroidデバイス。Windows PhoneやRing Hubは「詳細は後日」となる。

「Ring」は現在Kickstarterから予約・購入可能だ。1日半で目標額である250,000ドル(約2555万円)を達成。3月27日時点では815,446ドル(約8335万円)まで支援金を獲得している。

提供国は米国、カナダ、日本、中国、ヨーロッパ、シンガポール。日本からのオーダーは、Kickstarterからの支援に応じたリワードとして「Ring」本体を受け取れる。「Ring」が受け取れるリワード額は、3月27日時点で185ドルから(約19,000円)から。185ドルのリワードでは「Ring」本体に加え、バッテリスタンド、microUSBケーブルも同梱される。製品の登場は2014年7月を見込んでいる。

Kickstarterの「Ring」プロジェクト期限は米国時間4月4日まで。残り約8日間となるが、気になった方はチェックしてみても良いかもしれない。

専用アプリ「GestureMaker」(左)と「Ring Store」(右)

185ドルのリワードで獲得できるバッテリスタンド