カシオ計算機から3月7日に発売された電子辞書、EX-word(エクスワード)シリーズの「XD-SU2000」は、小学校1年生から3年生までの低学年を主な対象にしたモデルだ。タッチ操作が可能な5.3型液晶ディスプレイや「あいうえお」順に並んだキーボードなど、小学校低学年の子供が直感的に操作できるインタフェースを搭載している。
収録コンテンツとしては、「例解学習国語辞典」や「例解学習ことわざ辞典」、「小学漢字 1006字の正しい書き方」「小学百科大事典 きっずジャポニカ」など、小学校低学年向けの辞書や辞典を厳選。さらに「キッズクラウン和英辞典」や「キクタンキッズ 初級編/中級編/上級編」といった、小学生向けの英語学習コンテンツも用意されている。新デザインの分かりやすいインタフェースと全20種類のコンテンツによって、学習に対する意欲の向上や習慣付けをサポートすることが狙いだ。
EX-wordシリーズの小学生向けモデルには、同じく2014年3月7日発売の「XD-U2800」があるが、こちらは小学校4~6年生を対象としたモデル。機能や収録コンテンツなどの違いはカタログに記載されているが、スペックでは分からない低学年向けの配慮や使い方が気になるところだ。
そこで今回は、「XD-SU2000」の商品企画を担当した、カシオ計算機 コンシューマ事業部の佐藤雄樹氏に、XD-SU2000の開発背景や特徴、おすすめの活用法などについてお話をうかがった。
電子辞書を使う小学生が増加中
―― XD-SU2000の前に、EX-wordシリーズと電子辞書市場の動向について教えてください。
佐藤氏「『エクスワード』ブランドは1996年に立ち上がり、今年で19年目となりました。おかげさまで累計の販売台数は2,000万台を越えています。2004年に電子辞書市場に関する統計調査が始まってから2013年までの10年間、台数と金額の面でナンバーワンのシェアを保ち続けています。
電子辞書をはじめ、スマートフォンやPCのアプリなど、言葉を調べるツールは多様化しています。用途、目的によって個人が選択するわけですが、電子辞書は特に、学習を目的としている方から高い評価をいただいております。EX-wordシリーズも、ハードウェアやコンテンツを刷新した新モデルを定期的に投入して、シリーズの進化を図っています」
―― そうした状況で、2012年にEX-wordシリーズとして初めて、小学生向けモデル「XD-D2800」を発売されました。
佐藤氏「カシオではさまざまな年代の方々に対して、電子辞書を所有しているかどうかのアンケート調査を定期的に行っています。その調査結果を見ると、低年齢層の所有率が年々上昇してきているんですね。背景としては、ご両親のデジタル機器に対する理解が進んできたためだと思っています。
また、2005年に中学生向けのモデルを発売してから、『小学生用に使いたいんだけど、内容が難しい』というご意見をいただいておりました。そのような背景から、『小学生には小学生の学習に最適な電子辞書を』ということで、小学生モデルを発売しました。小学5年生と6年生では英語の授業も始まりましたしね。小学生にも『学ぶことが楽しい』と感じてもらえると嬉しいですね」
―― 「電子辞書より紙の辞書!」という声は、相当あったんじゃないですか?(今でも?)
佐藤氏「そうですね。ただ『辞書引き学習法』で有名な深谷圭助先生にも、電子辞書の良さを評価していただいています。紙の辞書は物事をじっくり調べるのに適しているのに対して、興味を持ったことを次々に調べながら、網羅的に知識を習得していくのが電子辞書ならではの使い方なのかなと思っています」
―― もちろんウチにも辞書はありますが、紙の辞書は引くのが面倒なんですよね。
佐藤氏「社内でも確かにそんな声はありますね(笑)。EX-wordを購入して自分の子供にプレゼントしたという人間がいまして、そのお子さんはかなり使い込んでいるようです。電子辞書が真新しくて面白いという理由もあると思いますが、単語を入力するだけで次々と説明が出てくるので、ストレスなく、楽しく使えるとのことでした」
―― 子供を持つ親としては、いろんなジャンルの教材がたくさん入っていて、しかも持ち運びにも便利だし、教材を選ぶ手間がなくて嬉しいですね。
佐藤氏「子供を持つ親御さんにとって、どんな教材を買い与えればいいのかというのは悩みの種だと思います。特に、英語教材で迷う方が多いのではないでしょうか。その点で、当初から教育ツールとして開発してきたEX-wordは、評価の高い教育向けコンテンツを厳選して収録しておりますので、お子さんのさまざまな学習に使っていただけたらと。」