最新SSDとして十分な性能を実現
それでは、SSD 730の性能を検証してみることにしたい。テスト環境は以下に示した通りである。ベンチマークテストとしては、Windowsエクスペリエンスインデックス、PCMark 7、CrystalDiskMark、HD Tune Pro 5.50、AS SSD Benchmarkを実行した。
■今回のテスト環境 | |||
CPU | Intel Core i7-3770K(3.50GHz) | ||
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M/B(Chipset) | GIGABYTE GA-Z77X-UD3H(Intel Z77 Express) | ||
メモリ | DDR3-1600 8GB(4GB×2) | ||
光学ドライブ | Sony Optiarc AD-7240S | ||
OS | Windows 8.1 Pro 64bit |
まず、Windowsエクスペリエンスインデックスを計測したところ(Windows 8.1ではコマンドプロンプトからWindowsエクスペリエンスインデックスの実行が可能)、プロセッサ「8.2」、メモリ「8.2」、グラフィックス「5.9」、ゲームグラフィックス「5.4」、プライマリハードディスク「8.1」という結果になった。プライマリハードディスクの8.1というスコアは、SSDとしてもトップクラスである。
PCMark 7の結果は、PCMark scoreが「6025」、Lightweight scoreが「6236」、Productivity scoreが「5442」、Entertainment scoreが「4351」、Creativity scoreが「10948」、Computation scoreが「21014」、System storage scoreが「5438」、Raw secondary storage scoreが「5664」というスコアになった。
次に、定番の「CrystalDiskMark 3.0.3a」を実行してみた。1000MB×5のランダムデータの計測結果は、シーケンシャルリード472.6MB/秒、シーケンシャルライト490.6MB/秒であった。最新の高速SSDは、シーケンシャルリード/ライトともに実測で500MB/秒を超えるものもあるが、十分高速といってよいだろう。512KBランダムアクセスもリードが419.4MB/秒、ライトが482.6MB/秒と高速だ。
データとしてすべて「0」を書き込む「0Fill」で計測したところ、シーケンシャルリードは471.8MB/秒、シーケンシャルライトは493.6MB/秒となり、ランダムデータの場合とほとんど変わらなかった。
データを記録時に圧縮して書き込むタイプのSSDだと、0Fillでの性能は高いが、ランダムデータでは性能が低くなるが、SSD 730は、ランダムデータでも0Fillでも結果があまり変わっていないため、記録時の圧縮は行っていないと推測される。圧縮を行わない製品は、どのようなデータでも安定した性能が得られることが魅力だ。
次に、「HD Tune Pro 5.50」を利用して、より詳細なテストを行ってみた。HD Tune Proではディスク全域のテストが可能である。リードテストの結果は、下の図に示したとおりで、40GB程度までの領域では速度に多少変動があるものの、350MB/秒程度で安定している。
HD Tune Proのファイルベンチマークの結果は、シーケンシャルリードが487,979KB/秒、シーケンシャルライトが464,829KB/秒となり、CrystalDiskMarkとほぼ同じような結果である。グラフを見ると、シーケンシャルライト速度が時々落ち込んでいるが、シーケンシャルリード速度は安定している。
今度は、SSDに特化したベンチマークソフトである「AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。転送速度の計測では、シーケンシャルリードが507.35MB/秒、シーケンシャルライトが457.17MB/秒という結果になり、リードは500MB/秒を超えており、公称値にかなり近い値となった。IOPSは、4K-64Thrdでのリードが88,043IOPS、ライトが66,177IOPSという結果である。
さらに、AS SSD Benchmarkには、ファイルコピーテストも用意されている。これは、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルの大量コピーを想定した「Program」、さまざまな大きさのファイルが混在した場合のファイルコピーを想定した「Game」の3種類があり、比較的体感速度に近い結果が得られる。
ファイルコピーテストでの転送速度は、ISOが327.83MB/秒、Programが204.89MB/秒、Gameが268.57MB/秒で、コピーにかかった時間はそれぞれ、3.28秒、6.87秒、5.14秒とかなり高速である。
コンプレッションベンチマークも計測してみた。コンプレッションベンチマークは、まったくのランダムデータから同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータ構成を変えながら転送速度を計測するテストである。書き込み時にデータの圧縮を行うタイプの製品だと、グラフが右肩上がりになるが、SSD 730の結果はほぼ一定の値となっており、データの構成にかかわらず安定した性能が得られることが分かる。
性能と信頼性を重視する人にお勧め
ベンチ結果からわかるように、SSD 730のパフォーマンスは、最速クラスではないものの十分に高い。SSD 730のもう一つの魅力である信頼性の高さはベンチマークテストや短い試用期間からは判断しにくいが、1日70GB書き込んでも、5年間の長期保証があるので、大容量データを扱う人にも向いているといえるだろう。
また、Intel RST(Rapid Storage Technology)によるRAID 0(ストライピング)にも最適化されており、SSD 730を2台使ったストライピングでは1000MB/秒、4台使ったストライピングは1500MB/秒という、超高速環境を実現できるという。SSD RAIDを組んで超高速環境を実現したいという人にもお勧めだ。