Oculus VRは3月19日(米国時間)、広視野角ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」の開発キットのバージョン2「Oculus Rift Development Kit 2 (DK2)」を発表した。Oculusのウエブサイトで予約受付が始まっており、価格は350ドル。オリジナル開発キット(300ドル)よりも50ドル高くなったが、高解像度のOLEDディスプレイ、精度の高いポジショントラッキングを搭載する。

Oculus Rift Development Kit 2、開発キット版Oculus Rift本体とポジショントラッキング用のカメラ

Oculus Riftはバーチャルリアリティ用に設計されたヘッドマウントディスプレイで、広い視野角を持ち、バーチャルな世界に没入できるユーザー体験が話題になって、クラウドファンディングのKickstarterでは25万ドルの目標額で244万ドルを集めた。

開発キットはゲーム開発者の対応を促すために用意しているもので、製品版とは異なるが、Oculus Riftのバーチャルリアリティを実現する基本的なビルディングブロックは備えている。オリジナル開発キットは価格が300ドルと安かったため、開発者以外でもOculus Riftを体験するために購入した人が多かった。

Oculus Riftは左右に1つずつ計2つのディスプレイを搭載するが、オリジナル開発キットは1つが640×800とドットが目立つほど解像度が低く、そこにユーザーの不満が集中していた。DK2のディスプレイは1つが960×1080で、リフレッシュレートは75Hz/72Hz/60Hz。視野角は100度だ。

OLEDディスプレイの採用によって、シミュレータ酔いの大きな原因になっていたモーションブラーやブレが抑えられ、より動きがなめらかで安定して見えるようになった。スクリーンドア効果が少なく、明りょう感や色合い、コントラストが向上したという。ポジショントラッキングの統合によって、外部のカメラからOculus Riftの位置が正確に検知され、ユーザーのリアルな動きが高精度でバーチャルに反映される。このほか、レイテンシテスターを新たに内蔵する。インターフェイスは、HDMI 1.4b、USB 2.0。ケーブルを除く本体の重さは0.97ポンド(約440グラム)。

ポジショントラッキングの統合によって、Oculus Riftを装着した頭の動きを正確にマッピング

Unreal Development Kit、Unreal Engine 4、Unity 4などが統合されたOculusソフトウエア開発キットは、Windows、Mac、Linuxをサポートする。