フランスの主要研究機関であるCEA-LetiとSTMicroelectronicsは2月21日、UTBB(Ultra-Thin Body Buried-oxide)を特徴とする28nm FD-SOI技術を採用した超広電圧範囲(UWVR:Ultra-Wide-Voltage Range)のDSPのデモに成功したと発表した。

詳細は、2月9日~13日に米国サンフランシスコで開催された「国際固体回路会議(ISSCC) 2014」にて発表され、デモキットが公開された。

STの28nm UTBB FD-SOI技術をベースとするこのDSPは、ボディバイアス電圧範囲0V~+2Vに対応し、最小動作電圧を低下させ、400mV時に460MHzのクロック周波数で動作する。

このデモは、複数の設計手法を組み合わせることで、UWVRと高い電力効率、さらに電圧に対する動作周波数において卓越したレベルの効率を実現している。STとLetiは、0.275V~1.2Vの電圧範囲においてスタンダードセルライブラリの開発および最適化を行った。これらは、電力と性能特性の利点を活かした、理想的な実装を実現する。最適化されたセルの中では、低電圧での変動許容範囲に対応する高速パルストリガフリップフロップがある。

さらに、オンチップタイミングマージンモニタが、供給電圧値、ボディバイアス電圧値、温度、製造プロセスとは関係なく、クロック周波数を最大動作周波数の数%に動的に調整する。その結果、0.4V時でも、10倍という動作周波数が可能になったとしている。