イーフロンティアは14日、Windows用ビデオ編集ソフトのシリーズ最新バージョン「VideoStudio Pro X7」「VideoStudio Ultimate X7」を発表した。2月28日に発売する。パッケージ版の価格(税別)は、VideoStudio Pro X7が14,800円、VideoStudio Ultimate X7が19,800円。

また、VideoStudio Pro X7のアップグレード版は7,980円、特別優待版は9,800円、アカデミック版は7,800円、ダウンロード通常版は12,800円、ダウンロードアップグレード版は6,980円(いずれも税別)。VideoStudio Ultimate X7の特別優待版/アップグレード版は14,800円、アカデミック版は11,800円、ダウンロード通常版は16,800円、ダウンロードアップグレード版は12,800円(いずれも税別)。

VideoStudio Pro X7

VideoStudio Ultimate X7

入力・編集・出力に必要な機能を備えたオールインワンビデオ編集ソフト、VideoStudio Pro X7およびVideoStudio Ultimate X7

VideoStudioシリーズとは

製品の特長について紹介するコーレルの今澤浩之氏

VideoStudioは、BCNが主催する「BCN AWARD 2014」において、ビデオ関連ソフト部門で最優秀賞を受賞している製品。VideoStudio X7シリーズは、その最新バージョンとなる。都内で行われた記者説明会では、製造元のコーレル、マーケティング部 部長の今澤浩之氏が製品を紹介した。

新バージョン「X7」の最大の特長は、64bitに対応したこと。近年、カメラの高画質化にともない、写真のファイルサイズが増加の一途をたどっている。そのためユーザーからは、「より大きなメモリで編集ソフトを使用したい」といった要望が寄せられていたという。

「負荷がかかる、メモリをたくさん使用する作業ほど、64bitに対応した効果が確認できる」と今澤氏。前バージョン(Ver.X6 32bit版)との比較では、フルHD映像の21トラックをレンダリングする作業で22%のスピードアップ、10トラックを4K映像にレンダリングする作業で132%のスピードアップが確認できている。

PCへの負荷が高く、メモリをたくさん使用する作業ほど、64bitに対応した効果が大きい。100枚の写真を4Kのフォトムービー(MPEG-4)に変換する作業も時短できた

今回のVer.X7では、BGM付きフォトムービーを簡単に作成できる「おまかせモード」を搭載した。シンプルで使いやすいUIになっており、タッチ操作にも対応する。テンプレートを選び、静止画や動画をドラッグ&ドロップし、順番を並び替えて、BGMを選ぶだけでオリジナル動画を作成できる。おまかせモードで作成したファイルは、VideoStudioで編集することも可能だ。

直感的に使用できる、おまかせモード。テンプレートを選んで素材を取り込むだけで、高品質なフォトムービーを作成できる。VideoStudioで編集の続きを行うことも可能だ

ビデオ編集機能を満載

このほか、VideoStudio Pro X7およびUltimate X7で利用できる機能を、かいつまんで紹介していきたい。まず、超高画質(4K)映像の編集・出力に対応した。4K AVCスマートレンダリングをサポートすることで、処理速度が大幅に向上している。PC画面に表示されるすべてのを録画できる機能は、簡単にオンラインマニュアルを作るといった用途に便利。

PCの画面をムービーで撮影できる。撮影する範囲は自由に選択可能

映像はフレーム単位でカット編集が可能。最大20のオーバーレイトラック、3つのミュージックトラックを使える。ムービーの上にムービーを重ねる「ピクチャ・イン・ピクチャ」も作成でき、映像の再生速度は自由に変速可能だ。

用意されたビデオフィルターは、実に70種類以上。映像に波紋などの効果をかけたり、質感をスケッチ風に加工したり、部分モザイクをかけたりできる。映像や写真を切り替えるトランジションは126種類で、動いているオブジェクトに画像や文字を追従させるモーショントラッキングも利用できる。「字幕エディター」では、人物が声を発した場面に自動で字幕セグメントを追加してくれ、ユーザーが任意で文字を入力すれば簡単に字幕つきムービーを作れてしまう。

ビデオフィルターの例

トランジションの例

手持ちの映像が手ぶれしている場合、手ぶれ補正をかけることができる。明るさや色調の補正、特定の色を透明にして2つの映像を合成する「クロマキー」にも対応。カメラのコマ撮りで作成する「ストップモーションムービー」や、ビデオクリップを指定のコマ数で間引く「タイムラプス」といった効果で、映像を演出することもできる。

出力については、iPhone、iPad、iPod touch、Android、SONY PSPなど、各種モバイル端末での再生に最適なファイルを作成する機能が便利。DVD / Blu-ray出力や、AVCHDのSDカード出力もサポートする。このほか、YouTubeやFacebookのビデオアップロードに最適化することも可能だ。

モバイル端末に最適な形式で出力できる(写真左)。DVD / AVCHD / Blu-ray / SDカードといったメディアに保存することも可能(写真右)

上位版のUltimate X7には、プラグインやソフトウェアが追加される。例えば「proDAD VitaScene V2 LE」には、150種類以上のフィルターとトランジションを収録。「NewBlue Video Essentials」には10カテゴリ83種類のビデオフィルターとトランジションを収録する。「Boris Graffiti 6」では、3D効果のタイトルアニメーションも作成できる。簡単なUIにより、操作もしやすい。

ある調査機関の調べによると、動画編集ソフトの市場におけるイーフロンティア製品の国内シェアは49%ほどだという。同社では、これを1年間かけて55%くらいまで引き上げていきたい考えだ。例えば、学校などの教育機関で講習会を行うなどして、VideoStudioの利便性の高さを訴求していくという。コーレルのWebサイトでは、ほぼすべての機能を15日間体験できる無料体験版がダウンロード可能になっている。気になった人は、試してみると良いだろう。