――話は変わりますが、ダンボー以外に、キャラクターをモチーフにしたモバイルバッテリーを作るご予定はありますか?

実はいろいろと話は来ていて、こんなサンプルを作ったこともあるんです。

――(サンプルを見て)なるほど、このキャラクターの製品も検討されていたんですね。これは版権元からお話が来たものですか?

はい、そうです。このサンプルが題材としている人気アニメや、そのほかの有名キャラクターなど、いろいろな版権元からお声がけをいただいています。ですが、素材を提供されて印刷するだけの物になってしまうと、想いを乗せることができなくて、作り手としても楽しくはありません。それに、想いが乗らなかったら、プロダクト自体にこめられる"こだわり"が欠けてしまうと思っています。何かしらメーカーとして自分達ならではのアイデアを付け足して、ワクワクするものづくりをしていきたいですね。

――では、前回のインタビュー中で語っていただいたダンボーのバッテリーに関しては、やはり「単なるライセンス商売」とは異なったということでしょうか?

ダンボーのバッテリーを作っていた時は、よつばスタジオの方々と一緒にアイデア出しから監修まで一貫して関わってくださって、わたしたちもそれに応えようと製品作りを進めていく……というプロセスが本当に楽しかったんです。キャラクターに想いがある人同士でものづくりに取り組めたということに、何よりもワクワクしました。

ダンボーバッテリーのイメージ写真も、製品同様cheeroのデザイナーはじめ、スタッフによるこだわりのつまったものとなっている

――では、ダンボーに関して、今後何か新製品を出されるご予定は?

いろいろと企画は出ておりまして、現在検討中といった段階です。

ダンボーをきっかけに、さまざまな方々にお声がけいただいたことは大変ありがたいことです。しかし、どちらかというとキャラクタービジネスという枠だけに収まらず、日本のクリエイターの方々とコラボレーションを行っていければと思っています。

――日本のクリエイターとのコラボレーションというのは、具体的にどういった企画なのでしょうか?

弊社デザイナーがよく言っていることなのですが、海外と比べて、日本ではクリエイティブの価値がなかなか認められにくく、クライアント側がクリエイティブに対してお金を出しにくい状況があるのではと思っています。しかし、そんな状況に反して、日本のクリエイターの方々の質はものすごく高い。わたしたちは、彼らの手腕を広めるブランドでありたいと思っています。

そして、小ロットからでもよいので、クリエイターの方がデザインした柄が乗ったプロダクトを展開していけたらと考えています。われわれのプロダクトを媒体として、彼らの作品が手に取られるようになる商品を作っていけたらと思っています。

――cheeroでは主力のモバイルバッテリーだけでなく、スマホ対応のBluetoothスピーカーも発売し、今後はスマホケースなどのアクセサリー類も展開予定ということですが、御社が"愛されるモノ"を作るために貫いていきたいこだわりはなんですか?

やはり、ユーザーが持った時に喜んでいただけるようなモノであることです。一回使って飽きるものではなくて、ずっと持っていたいような製品を提供していきたいと思います。そのために大切にしなくてはならないことは、まず第一に品質です。弊社では品質を高めるために検査チームを作って、毎回出荷するごとに検査を行うために現地に行ったり、バッテリー専用の検査機器を専門会社と協力して作って検査したり、品質への取り組みにかなりの費用をかけています。

大量生産を行う中で不良品はどうしても発生してしまうものですが、こちらから見れば数百台の中の1台でも、お客様にとってはその1台が全てです。だからこそ工夫を怠らず、できる限り不良品をゼロに近づける取り組みを行っていくことが、われわれの製品展開の基礎となっています。

その上で、自分たちが使っていて「いいね」と思うものを展開していきたい、という想いがあります。それがいろんな方に受け入れていただけたのならなお嬉しい、というような感覚です。

――ありがとうございました。