こうした未成年者のスマートフォン利用時に陥りがちな危険に対処するために、フィルタリングは効果的な対策の1つだ。未成年者が携帯電話を利用する場合、キャリアはフィルタリングを提供する義務があり、各社ともスマートフォン向けにもサービスを提供しているが、これまでのフィルタリングは携帯回線を対象にしており、無線LANを通じたインターネット接続には対応していない(spモードフィルタはdocomo Wi-Fiでのフィルタリングには対応している)。

従来の携帯向けフィルタリングは、無線LANのフィルタリングに対応していなかった

しかし、無線LAN対応機器が増えたことで、ブラウザ型のフィルタリングが必要になっている

例えば同社のi-フィルターであれば、アプリや無線LAN経由の通信もフィルタリングできる

各携帯キャリアも、ブラウザ型のフィルタリングサービスを提供している

Androidであれば、導入するだけですぐに利用できる。iOSの場合は、OSの設定でアプリの使用禁止を設定する必要がある

しかも、スマートフォン契約者が増え、店頭での説明時間が長くなったことで、フィルタリングについての説明も減ってきているという。また、子供がLINEのようなSNSをやりたい場合に、フィルタリングを解除してしまう例も増えているそうだ。こうした状況もあって、年々フィルタリングの設定率は減少傾向にあるという。

それに対して同社は、キャリアの標準フィルタリングサービス以外に、無線LANでの通信にも対応したフィルタリングを提供。こうしたフィルタリングは「ブラウザ型フィルタリング」とされ、これを導入すると、標準Webブラウザを専用ブラウザに置き換え、無線LAN経由の通信でもフィルタリングできる。アプリに関してもフィルタリングをすることができ、使わせたくないアプリの利用を禁止することが可能だ。

保護者は、ブラウザ型のフィルタリングを導入し、個別に許可をするために子供とコミュニケーションを取ることを推奨している

ただし、これができるのはAndroid搭載スマートフォンだけで、iOSの場合は、標準のSafariを始め、iOSの設定でアプリの利用を禁止したうえで、専用ブラウザを使わせるようにする、という方法になる。これはiOSの制限のためで、保護者が直接iOS端末から設定する必要がある。

スマートフォン契約時に標準のフィルタリングに加えて、こうした追加のフィルタリングを申し込むことで、無線LANを含めた通信をフィルタリングできるようになるとのこと。子供がLINEなどのSNSを使いたいということになったら、その時は保護者が使わせて良いかを判断し、個別にフィルタリングの除外設定をすれば、通常のフィルタリングは設定したまま、必要なアプリやサービスを利用できるようになる。この個別除外の設定を知らない保護者も多く、フィルタリング自体を解除してしまう例も多いため、同社では個別の除外をするよう推奨している。

また同社は、SNSなどの情報発信について特別な注意を促している。同社の調査によれば、未成年者は「誤解されないような言葉遣いをしない」「他人の個人情報を載せない」といった点は注意しているものの、特に女子中高生が「自分の写真を公開しない」「自分の情報は載せない」といった点を注意している人が比較的少ないという。

子供も、情報発信には気をつけているが、特に除し中高生が自分の情報を公開しがち

性別・年代的に区別すると、男子小学生は「言葉遣いを気にしない」が、総じて男子は自分の写真を公開せず、自分のアピールをしないが、ゲームやアダルトなどのネットを楽しむ、という傾向がある。女子は、小学生から言葉遣いを気にするが、特に女子中学生で自分のアピールをしがちで、「コミュニケーションに気を使いつつ、リア充をアピールする」(同社)傾向があるという。そのため、男子はスマホ依存や高額請求被害に遭いやすく、女子は個人情報漏えいや出会い系被害に遭う危険性がある、としている。

性別・年代の違いによるマトリクス

同社では、アプリによって分かりやすくスマートフォンで遭遇しがちな危険性を紹介するとともに、子供とコミュニケーションをとりながらきちんとフィルタリングを使う重要性を訴えている。

(記事提供:AndroWire編集部) (2013年12月19日)