デジタルアーツは12月19日、未成年者がスマートフォンを使う際に遭遇する可能性がある危険について体験できるアプリ「スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ」に新シナリオを追加。それに伴いフィルタリングの現状などを解説する説明会を開催した。

このアプリは、スマートフォンを未成年者が安全に使えるように、危険性を紹介するためのもの。スマートフォン利用時に遭遇しそうな問題点を画面に表示し、疑似的に体験できるという。これまで、「ネットいじめ」「高額請求」「個人情報漏えい」「出会い系被害」の4つのシナリオがあったが、新たに「スマホ依存」「スマホ以外の端末」「個人情報漏えい2」「危険なアプリ」の4シナリオが追加された。

「スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ」。上の4つが新しいシナリオ

スマホ依存では、SNSで友だちと交流している場合に、短時間放置しただけで「返信がない」と怒られ、それが気になるあまりにスマホが手放せなくなったり、友だちとゲームのスコアを競ってやり込んでしったりして、起きてから寝るまで片時も手放せなくなる状態に陥っていく、といった状況がストーリー形式で紹介されているという。SNSのメッセージが連続で届く様子も画面上で体感できるとのことだ。

「スマホ依存」の画面。「次へ」をタッチしてシナリオを読み進めていく

メッセージが連続して届く様子も再現している

このほか、スマートフォンではなくAndroid搭載音楽プレイヤーやiPod touchを使う未成年者も多く、特に保護者がネット接続やアプリインストールができることを知らない場合もあるので、フィルタリングが設定されずに問題が起きる危険性も紹介。加えて、特に女子学生はSNSで自分のことを投稿しがちな傾向があるといい、直接的な個人情報でなくても、複数の情報を組み合わせることで個人が特定される危険性を訴えるシナリオも用意している。

断片的な情報から個人が特定される危険性を紹介するシナリオ

友人が「炎上」し、それをかばう発言をしたことから、ネット上で情報が探られる様子を再現

保護者や教師、地域のNPOなどが情報モラル教育のためにリリースしているアプリだが、未成年者自身が使って、危険性に気付く例もあるとのことで、「未成年者はスマートフォンを使いこなしているが、危険性を知らないこともある」(同社)という。今後、高校生や大学生と協力して、「ニュースになるほどではないが、未成年者がドキッとした」ような体験を収集し、そうした情報もアプリに盛り込んだり、今後の情報モラル教育などの活動で活用していく予定だ。