「電波マニア集まれ!」――。KDDIは11月16日、一部ブロガーを対象とした「au電測バスツアー」を開催した。KDDIの最新モデルを利用して最速433MbpsのIEEE802.11 ac対応Wi-Fiスポットや受信時最大150Mbpsの基地局を訪問し、"電波マニア"たちは熱心にスピードテストを行っていた。

この企画は、KDDIの基地局マニアな社員が立案したもので、参加者はTwitterなどでアクティブに情報発信をしている"電波マニア"たちが参加した。

土曜日の朝、KDDI近くに招集された一行であったが、集合場所は緯度経度で指定された(下図参照)。「こんな招集の仕方は一般人じゃ通用しないだろ……」と思いつつ、土地勘のある筆者はGoogleマップに数字を打ち込むことなく、東京しごとセンター前に到着した。

普通の人が見たら訳の分からない案内。そもそも目印1が基地局であることもおかしい

電波測定ツアーなどと訳の分からない名称が

初めに向かったのはエクセルシオールカフェ。ここではKDDIがWi-Fiスポット「au Wi-Fi」を提供している。ただし、「au電測バスツアー」で寄るからには訳がある。理由は「IEEE 802.11ac」。下り433Mbps~6.93Gbpsの通信速度を誇る次世代Wi-Fi規格だ。

現在はスマートフォンがMIMO非対応であるといった理由で、理論値は下り最速433Mbpsの速度にとどまる。とはいえ、スマートフォンで通信する分には十分な数字。実際にスピードテストを行ったところ、全員が200~250Mbpsといったスピードを計測していた。

エクセルシオールカフェでスピード計測。特別に店内奥にあるルーターも見せてもらえた。筆者のスマホでは最速218Mbpsを記録

続いて訪れたのは「海ほたる」。ここでは長い海底トンネルや千葉県まで繋がる大橋の間も繋がり続ける「au 4G LTE」の"プラチナバンド"である800MHz帯の優位性を体感。

殆どの試験端末で3Gに落ちることなく、快適なデータ通信を体感できた。なお、男だらけのツアーであったため、周りの家族連れやカップルが羨ましかったのは言うまでもない。

海ほたるでもスピード計測。案内役となったKDDI広報部 松田氏が800MHz旗を掲げてご案内

最後に訪れた場所は3カ所。KDDIのホームページで公開されているが、千葉県の木更津市高砂、高柳周辺に最速150Mbpsの下り速度を実現する基地局が3基存在する。

電波マニアにとっては聖地とも言える場所になるであろう千葉県木更津市だが、周りは畑や住宅街、学校がある普通の街。大の男十数名が団体で訪れる光景は、地元の方にとってはさぞ珍妙に写ったのではないだろうか。

なお、ここでもスピードテストを行っており、一部のブロガーが最速139Mbpsを叩き出した。これは理論値にかなり近く、実測値の限界に近いスピード。ここまでのスピードを実利用で生かせる機会はあまりないものの、車と同じくスピードが出る基礎能力の高さの片鱗が体感できただけでも面白いツアーであった。

最後に、東京ドーム近くにあるKDDI本社へ戻り、電波マニアと技術系社員による意見交換が行われた。隣には、2GHz帯の超小型LTE基地局や、可搬型の800MHz、1.5GHz、2GHz帯LTE基地局が展示。意見交換も、いつしか携帯に関する雑談に変わり、当初予定より遅くなって終了。電波マニアたちにとってはたまらない一日になったようだ。