毎日届くDMや書類の整理から、書籍をPDFに変換する自炊まで、ドキュメントスキャナを利用するユーザーが増えている。設置場所は自然とPCの近くになるが、机上や周囲のスペースにも限りがあるだろう。そこで最近は、コンパクトなタイプか、無線LAN(Wi-Fi)を搭載しているドキュメントスキャナへのニーズが高まっている。

ブラザー販売のドキュメントスキャナ「ジャスティオ」シリーズに属する「ADS-1500W」と「ADS-1000W」は、コンパクトかつWi-Fi機能を搭載している点で、ユーザーの心をつかみそうである。上位のADS-1500Wはタッチパネルを備えており、本体だけでさまざまな読み取り操作を実行できるのが特徴だ。読み取ったデータの保存先としても、PC、スマートフォン、USBメモリ、ネットワーク上の共有フォルダやクラウドサービス(ADS-1500Wのみ)など、いろいろ選べる。これもドキュメントスキャナへの多様なニーズを反映しているといってよいだろう。今回は上位モデルとなるADS-1500Wを試用できたので、さっそくレポートしたい。

ADS-1500W

■主な仕様 [イメージセンサー] CIS [光学解像度] 600dpi [ADF容量] 20枚 [原稿サイズ] W51~215.9mm、D70~297mm [読み取り面] 片面/両面 [読み取りスピード] 18枚/分(A4カラー片面、200dpi) [インタフェース] IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、USB 2.0 [液晶] 2.7型カラータッチパネル [ドライバ] TWAIN、ISIS(Windowsのみ)、WIA(Windowsのみ) [対応OS] Windows XP / Vista / 7 / 8、Mac OS X 10.6.8 / 10.7.x / 10.8.x [本体サイズ] W285×D103×H84mm [重量] 約1.6kg

外観をチェック

ADS-1500Wは、ブラザー販売のジャスティオシリーズにおいて、卓上モデルとモバイルモデルの中間に位置するコンパクトモデルだ。本体サイズはW285×D103×H84mmで、変な例えだが、昔ながらの大きな羊羹(ようかん)といったところ。ちなみに重さも1.6kgと、羊羹(約1.5kg)に近い。原稿カバーを開いて、原稿支えアームを引き上げたときの奥行きは約260mmだ。それほど置き場所を取らず、使わないときは片付けておくという使い方もできるだろう。

無線LAN機能はIEEE802.11b/g/nに準拠し、有線LANケーブルやUSBケーブルの接続が不要だ。無線LANルータとの接続機能として、Wi-Fiアライアンスが定めた「WPS」と、バッファロー独自の「AOSS」に対応する(同じくWPSかAOSSに対応した無線LANルータが必要)。また、USBケーブル経由でネットワーク設定をダウンロードでき、セットアップが簡単だ。

本体背面には、PCと接続するためのミニUSB 2.0ポートのほかに、USBメモリを装着するためのUSBポートと、免許証やクレジットカードなどを読み取るためのカードスキャンスロットが用意されている。

給紙トレイと閉じたところと(写真左)、開いたところ(写真右)。原稿の給紙と排紙を合わせると、使用時はだいたい60cm弱の奥行きを取る

2種類のUSBポートとカードスキャンスロットを搭載、miniUSBポートはPCとの接続インタフェース、USB AポートはUSBメモリ用。本体でスキャンしたデータを、USBメモリへ直接保存できる

2.7型カラータッチパネルを搭載。視認性が高く見やすい