ゲッティ イメージズ傘下のストックフォトサイト「iStock」は、東京のアーツ千代田3331にて、世界デビューを目指す日本のフォトグラファー100人を集めた実践型写真研修イベント「iStockalypse」を開催。11月18日はエデュケーション・デイとして、日本のフォトグラファーが理解しておくべき最新のビジュアルトレンドや著作権などの法律知識、ストックフォトサイト活用術をレクチャーする講義が行われた。

ここでは、ゲッティ イメージズのコンテンツ ディベロップメント マネージャー・サイモン モラン氏による「ストック写真における法律関係の注意点」についてのセミナーの様子をレポートする。

ゲッティ イメージズのコンテンツ ディベロップメント マネージャー・サイモン モラン氏

個人が特定できる場合は許可が必要

ストックフォトで写真を販売するにあたり、細心の注意を払わなければならないのが、肖像権や所有権、商標といった法律に関わる問題だ。例えば、モデルになった人からのモデルリリース(肖像権使用許諾書)を得ていても、たまたま背後に写り込んだ第三者の肖像権を侵害して訴えられる可能性もある。また、街中の素敵な家を被写体にしたいと思ったのであれば、ストックフォトで使用する場合、持ち主からプロパティリリース(同意許諾書)を取得しなくてはならない。

このセミナーでは、モラン氏が「あくまでも参考レベルで、実際のケースでは弁護士など専門家と相談すべき」と前置きした上で、ストックフォトにまつわるデリケートな法律の問題に関して、どんなケースがNGでどれぐらいまでならOKか?という実例を、スライドで紹介しながらわかりやすく説明した。

モラン氏は最初に、リスクが高い「People(人々)」を被写体とした写真を挙げ、「人物が写っている写真はストックフォトとして非常に需要は高いが、それが雑誌やテレビなどの宣伝で使われるかもしれないということを認識しておかなければならない」と述べた。例えば、大衆の写真であっても個人を特定できる場合はNGとなるほか、家族の写真でも後に夫婦が離婚したら、本人は使われたくないと思われる可能性もあるという。また、街角でのスナップに写っている人の顔がわかる場合、あるいは後ろ姿であっても撮られた人が特徴的な洋服や髪型などをしていて特定可能な場合は、ストックフォトで使用する旨の説明および許可を得る必要があることなどを説明した。

反対に、おそらく許可を取らなくても問題には"なりにくい"グレーゾーンの例として、一般的な服装の後ろ姿や大衆の人混み(後頭部のみが写ったものなど)、スクランブル交差点を上から撮った写真などを紹介した。特殊な例として、体の一部が写ったものであっても、タトゥーが入っていると個人を特定できる可能性があることや、(逆光などの)シルエットで顔が認識しづらい場合でも、Photoshopなどのフォトレタッチツールで露出を変更することで顔が浮かび上がる場合があることを説明し、注意を促した。

iStockサイトで配布されている「モデルリリース」と「プロパティリリース」のフォーム