ゼロエンタープライズ・ジャパンは11月27日、米Zero Enterpriseが所有しアラスカ州に保管している零式艦上戦闘機(零戦)を日本国内で保存・管理するプロジェクト「里帰りプロジェクト」の具体的なスケジュールおよび「Zeroサポートクラブ」を同日より発足したことを発表した。

同プロジェクトは、同社取締役の石塚正秀氏がCEOを務める米Zero Enterpriseが所有するレストア済みの零戦を日本に移し、国内で動体のまま保存するというもの。早ければ2014年の3月にも国内飛行の準備をするための"第一次里帰り"を行い、その後いったん米国に戻した後、9月に"本里帰り"をする予定。零戦を国内に移した後は、博物館などで一般に展示するほか、航空イベントなどで飛行を行う予定としている。

米Zero Enterprise CEOおよびゼロエンタープライズ・ジャパン 取締役の石塚政秀氏

一方のZeroサポートクラブは、零戦をいつでも飛行できる状態で維持管理するための費用を確保するために、会員から支援金を募る仕組みのこと。集まった支援金は、零戦の輸送費、国内の駐車料、整備料などに充てられるという。会員には、イベントチケットの先行販売、零戦搭乗写真の撮影などの特典を予定している。

今後の課題は、国内で維持メンテナンスする環境整備、保険、駐車場などの費用のほか、長期間日本で飛行・管理するために必要となる「JAナンバー」の取得(現在は米国所属のNナンバー)、国内で零戦を運転するためのパイロットの確保など。

なお、零戦輸送中の事故、日米行政からの指導、世論からの反対などによって同プロジェクトは中止になる可能性もあるという。万一中止になった場合は、理由を速やかに開示するとともに、サポートクラブの会員に対して返金を行う予定だという。

米Zero Enterpriseが所有するレストア済みの零戦