NTTドコモは、LTE-Advanced向けの無線伝送技術「Smart Vertical MIMO」を新たに開発し、基地局アンテナ1本で1.2Gbpsを超える屋外での走行伝送実験に成功したと発表した。

LTE-Advancedは、2015年度中に提供開始を予定しているLTEの次世代通信方式。同通信方式を活用し、1Gbps超の通信速度を実現するには、アンテナ4本相当のMIMO伝送を行うことが必要となり、アンテナ数の増加による設置場所の確保やコストの増加が課題となっていた。

Smart Vertical MIMOのイメージ

同社では「Smart Vertical MIMO」技術を開発し、この課題の解決を図る。同技術を活用することで、アンテナ1本でアンテナ4本相当の高速・大容量のMIMO伝送を実現でき、省スペース・省コストでのエリア構築に可能になるという。特に都市部等のアンテナ増設に空間的な余裕が少ない環境で効果を発揮すると見込まれている。

技術概要

同技術は、電波の受信状態の良い携帯電話に対しては、1本のアンテナを上下2つのグループに分割し、さらに偏波技術を用いることでアンテナ4本相当の伝送速度が実現できるというもの。電波の受信状態の悪い携帯電話に対してはグループ分割を解除し、エリアの広さを優先した通信サービスを提供することもできる。