富士通ネットワークソリューションズ(富士通NETS)は10月29日、コールセンターを低コストで簡単に構築できる「FUJITSU Call Center Solution COMPACT IP CallBox V2」を発売した。価格は、5席220万円~/100席850万円などで、このほか保守費用が年間45万円が必要となる。

本ソリューションは、電話の着信をオペレーターに適切に分配する着信呼均等分配機能(ACD)や、音声自動応答機能(IVR)、オペレーターの状況や顧客の待ち人数などをリアルタイムに把握できる統計情報管理機能(MIS)、通話録音などコールセンターに必須となる機能/アプリケーションをオールインワンで1台のサーバに搭載しているため、簡単にコールセンターを構築できる。発表によれば、サーバ搬入後、最短では約1週間で構築可能としている。

COMPACT IP CallBox V2のシステム構成例

従来は、50席以下の小規模なコールセンターを対象としていたが、今回100席以下の中規模コールセンターまで対象を拡大するとともに、スーパーバイザー(管理者)が会話内容を聴き取り、オペレーターの対応を支援できるモニタ機能などを充実させた。

COMPACT IP CallBoxは、50席以下のコールセンター構築用のソリューションとして、2008年に販売を開始した。一方国内では、100席以下のコールセンターが全体の64%を占めている。こうした中規模コールセンターの場合、5年間以上の長期間利用を考えた場合、クラウドサービス型よりもオンプレミス型のソリューションの方がコストを低く抑えることができるという傾向があるという。

COMPACT IP CallBox V2は、従来のACD着信のみでなく、発信、転送、内線着信、外線からの直接着信などでも会話内容を聴き取ることができるモニタ機能を追加した。オペレーターが顧客と会話中に、スーパーバイザーがオペレーターのみに話しかけることができるウィスパリング機能の利用も可能となった。また、複数のスーパーバイザーによるモニタ機能も追加されている。

100席規模のコールセンターでは、オペレーターとスーパーバイザーの席が遠い場合が多く、オペレーターがサポートを必要としている際にもジェスチャーで要求するなどの手段しかなく、迅速なサポートが難しいという課題がある。COMPACT IP CallBox V2にはモニタ表示機能を追加し、オペレーターがモニタをして欲しいという際にソフトフォン上のボタンを押すと、スーパーバイザーがモニタ画面でオペレーターの要求状況をリアルタイムで確認することができる。

通常のコールセンターでは、スーパーバイザー以外にグループリーダーもモニタを実施するケースがある。しかし、モニタ機能はスーパーバイザー用のMISに搭載されており、権限管理によってリーダーは利用できないケースもある。そこでCOMPACT IP CallBox V2では、ソフトフォンでもモニタ要求の確認ができるようにソフトフォンをエンハンスした。これによち、リーダーもオペレーターからモニタ要求があったらすぐにサポートすることができる。