日立製作所は10月28日、デジタルペンを使って対応用紙に手書きした文字や図を電子化する「デジタルペンソリューション」のラインアップに、デジタルペンを運用するシステムをクラウド型で提供する「デジタルペンソリューション(クラウド型)」を追加したことを発表した。11月1日から販売開始する。同サービスはクラウド型で提供されるため、運用用のシステムを新たに構築することが不要となるなど、導入期間の短縮や運用保守の手間が削減できる。

デジタルペンは、ペン自体に超小型カメラを内蔵し、デジタルペン対応用紙上にある特殊なドットパターンをカメラで読み取ることで帳票の種類と紙面の位置情報を認識し、手書き情報を電子化する装置である。

デジタルペンの構造

デジタルペンソリューションは、業務内容に合わせた帳票にデジタルペンで手書き記入された情報を電子化して取り込むことで、処理の迅速化や業務効率の向上などを可能とするシステムを構築するものである。製造業では製造管理、流通業では顧客管理、また病院や介護施設では患者への処置内容の記録といった用途で活用されている。

これまで日立は、デジタルペンを利用するためのサーバを自社内のシステムとして設置・運用するオンプレミス型のソリューションとして提供してきた。新しいサービスは、同社の堅牢な建物構造やセキュリティ設備を備えた「Harmonious Cloudセンタ」から、デジタルペンを運用するシステムをクラウド型で提供するものである。デジタルペンで記入した手書き情報は、SSL通信によって暗号化して安全にデータを送受信することができる。

デジタルペンソリューション(クラウド型)のシステム構成図

デジタルペンソリューション(オンプレミス型)と同様に複数拠点で活用したり、モバイル通信などのネットワーク環境を用意して車内や屋外などでの利用したりすることが可能である。