JVCケンウッドは10月10日、「Kシリーズ」のネットワークアンプ「A-K905NT」、CDチューナーアンプ「A-K805」、スピーカーシステム「LS-K901-M」、コンパクトHi-Fiシステム「K-735」を発表した。発売は、A-K905NTのみ11月上旬で、他は10月中旬。希望小売価格は、A-K905NTが94,500円、A-K805が78,750円、LS-K901-Mが36,750円。K-735はオープン価格で、推定市場価格は75,000円前後。

新「Kシリーズ」のラインナップ。左から「A-K905NT」&「LS-K901-M」、「A-K805」&「LS-K901-M」、「K-735」

Kシリーズは、単品コンポーネントのクオリティをコンパクトサイズに凝縮した、いわゆる"ハイコンポ"と呼ばれるカテゴリーの製品だ。

新製品の発表会場でJVCケンウッド業務執行役員・オーディオ事業部長の宮本昌俊氏は、新Kシリーズのコンセプトを、「情念が沸き立つ音を聴きたい」と表現した。「よい音で音楽を聴きたいという音楽好きの欲求と、想いをそのまま伝えたいという作り手側の欲求のそれぞれを実現する」という意味を込めたという。

JVCケンウッド業務執行役員・オーディオ事業部長の宮本昌俊氏

192kHz/24bitやDSDに対応する「A-K905NT」「A-K805」

A-K905NT・A-K805は、192kHz/24bitまでのLPCM/FLACファイル、DSDファイル(2.8MHz)の再生に対応したモデル。DACチップはWolfson製を採用している。ハイレゾ信号に対応した光デジタル/同軸デジタル入力端子を備えるほか、A-K905NTでは、USB、ネットワークからのハイレゾ音源の再生にも対応している 。A-K805もUSB端子は備えているが、ハイレゾ音源の再生には非対応だ。

「A-K905NT」

「A-K805」

アンプはデジタル方式で、実用最大出力は50W×2だ。NFB(負帰還)をデジタル信号とLPF(ローパスフィルター)通過後のアナログ信号の両方にかける「バランスド・デジタル・フィードバック」方式を採用。磁気・SW・電源変動などによる歪みの発生を抑制している。フロントパネルに3mm厚のアルミ材を採用するなど、制振性能も高められている。また、ビット拡張や周波数拡張を行う「K2テクノロジー」も採用。非可逆圧縮されたソースの補間だけでなく、CDなどの音質も向上させることが可能だ。

デジタルアンプ基板

厚みのあるアルミ製のフロントパネル

本体サイズは共通で、W247×D298×H115mm。質量は、A-K905NTが3kgで、A-K805が3.3kg。

100kHzまでの高域再生が可能な「LS-K901-M」

LS-K901-Mは、W160×D271×H271mmのコンパクトな2Wayブックシェルフ型スピーカー。使用されているユニットは、φ2cmアルミハードドーム型ツイーターとφ12cmコーン型ウーファーだ。ツイーターは100kHzまでの高域再生に対応する。ウーファーにはグラスファイバー振動版が採用されており、パワフルで情報量の多い中低域再生を実現している。キャビネットはバスレフ型で、ツイーターとウーファーのリスナーまでの距離をそろえるUDレイアウトが採用されている。

「A-K805」と組み合わされた「LS-K901-M」

CDを中心としたリスニングスタイルに向けたシステム「K-735」

K-735は従来のCDを中心とした音源を再生するためのモデルだ。対応しているサンプリング周波数と量子化ビット数は96kHz/24bitまで。アンプはデジタル方式で実用最大出力は50W×2。K2テクノロジーも採用されている。スピーカー部はφ2cmドーム型ツイーターとφ12cmコーン型ウーファーを搭載するバスレフ型で、再生周波数帯域は45Hz~50kHz。サイズは、本体部がW245×D309×H104mmで、スピーカーがW160×D271×H271mm。質量は、本体部が5.7kgで、スピーカーが4.2kg。

「K-735」

未発表のポータブルヘッドホンアンプも参考出展

発表会場には、ポータブルヘッドホンアンプのモックも展示されていた。これについて宮本氏は、「Kシリーズはインドアで音楽を楽しむためのシステムだが、リスニングスタイルは多様化しており、それに対応する製品リリースしていく」と語っている。なお、ポータブルヘッドホンアンプの詳細は現時点では不明。

参考出展されていたポータブルヘッドホンアンプのモック