「つながる力」のポイントその3: こだわりのつながる力

スマホは生活の様々なシーンで使うため、つながってほしいところでつながってほしいもの。田中孝司社長は、800MHz帯を使うメリットとして「屋内施設や地下街でも通じやすい」ことをあげている。というのも、800MHz帯の電波は2.1GHzのよりも電波が建物や施設に入り込みやすいため、スマホを使いながら地下や建物に入ったらつながらなくなった、という不便を減らすことができるそうだ。また、主要な屋内施設や地下街のLTE化はほぼ対策済みだという。

他にも、地下鉄の駅のLTE化や主要路線の調査・対策を行ない、多くの人が集まってつながりにくくなるイベントの場でも車載型基地局やスタッフがWi-Fi機器を持って移動するなど対策を行っている。ただ、早いだけでなく、つながりにくい場面でも使えて利用者がつながる実感を持てることこそ大事、というわけだ。

通信障害という致命的な問題を克服しつつ、利用者が望む形のつながりやすさを実現しようとするKDDI。スマホでデータ通信を行う機会が多くなった現在、携帯の時以上につながりやすいかどうかで利用者のキャリアを選ぶ目がシビアになっている。そんな中、いかにトラブルを排しつつ利用者の満足度を上げるかが、キャリアの課題になっているだろう。マルチバンドLTEをはじめとする、KDDIの「つながる力」戦略は、快適な通信を求めるスマホユーザーにとって福音になるかもしれない。

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