Googleはユーザーの求めに応じて、今後も自然・文化遺産をデジタルアーカイブする

写真左は六合目付近。砂利道ではあるが、約 18kg のトレッカーを背負っていてもまだ歩けそう。だが、七合目から八合目にかけては写真右のように足場も悪くその苦労が窺える

既にこの度公開された、富士登山の人気ルート「富士吉田ルート」一合目から山頂までの道程を実際に楽しまれ、富士登山を仮想体験した人も多いことだろう。我々が自宅、あるいはモバイル端末でこのような体験をできるのも、Googleスタッフの頑張りによるもの。

実際、この富士山ストリートビュー撮影は、7月2日に一合目から五合目までを撮影し、途中悪天候によるスケジュール調整を挟み、7月11日から12日の2日間で五合目から山頂、そして火口の縁を回る"おはち巡り"、そして下山道を撮影したという。

横内山梨県知事も背負っていたバックパック型の撮影機材「トレッカー」の重量は約 18kg。今回は日本に複数台あるなかから1台を使い、登山のスペシャリストを起用して撮影に臨んだといい、今回の富士山のストリートビューでは、何と14,000以上ものパノラマ写真が使用されている。

季節によっては目指すのも難しい富士山の山頂入口。写真右は剣が峰。そこから観る雄大な自然、素晴らしい景色は見る者を感動させてくれる(とくに撮影の苦労を考えれば)。

Googleの村井氏が記者会見の席上でたびたび口にしていた「様々な理由で足を運ぶことができない人のため」という言葉。例えば、ハンディキャップがあり富士山に登りたくても登れない。あるいは、日本国外の人。我々も、おいそれとモン・サン=ミシェルやルーブル美術館、空中都市とも呼ばれるマチュ・ピチュへ出掛けることは難しい。

そういった様々なハードルをITで解決してくれるGoogle。世界最高峰のストリートビューをはじめ、一般人の立ち入りが制限されたエリアも収録された軍艦島など、我々をワクワクさせてくれることに挑戦している姿は非常に共感できる。

今回は、富士登山でポピュラーな富士吉田ルートを公開したが、今後ユーザーからの要望が多ければ須走や富士宮といったルートの公開も視野に入れていくという。それ以外にも、「是非ここをストリートビューで散策したい!」という想いがあるのならば、Google に要望をあげてみては如何だろうか?