Corsairは25日、国内正規代理店のリンクスインターナショナルと共同で、都内で記者発表会を開催し、2013年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2013で話題になった新モデルを含む、発売予定の製品を披露。近日中に発売予定のPCケースとケースファンをそれぞれ2モデルの紹介を行った。

Carbide Air 540

まず紹介されたのは、冷却性能にこだわったPCケース「Carbide」シリーズの「Air 540」。2013年6月に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2013でも展示されていたが、ケースの内部を2つのエリアに区切って効果的なエアフローを確保する「デュアルチャンバー方式」を採用したPCケースだ。

Air 540

■COMPUTEX TAIPEI 2013での様子はこちら
【レポート】COMPUTEX TAIPEI 2013 - ケース特集(大型編) 各社が水冷への対応を強化、ラジエータ×5台搭載も

片方のエリア「Active Cooling Chamber」にはマザーボードやCPU、GPU、メモリ、ホットスワップ対応の3.5インチベイ×2基を格納し、もう片方のエリア「Passive Cooling Chamber」には、5インチベイ×2基と2.5インチベイ×4基、電源ユニットを収める。

デュアルチャンバー方式を採用

このような特殊なレイアウトの理由として、「CPUやGPUなど大きな熱の発生源に直接風を当てることができる」とCorsairでは説明する。5インチベイやHDDのケージを別のエリアに置くことで、風の通り道をこれまでよりも広くとれるという。もう一方のエリアでは、電源ユニットのファンによってエアフローを確保する。

Active Cooling Chamber側の様子。

通常のケースであればフロントファンの後ろに5インチベイがあるのだが、Air 540ではファンからの風が直接GPUに当たるようになっている

また、ケースパネルとシャーシの間に配線する、いわゆる「裏配線」用のスペースについても、通常のケースではマチの部分がそれほど確保できなかったが、「Air 540」の場合は「Passive Cooling Chamber」部分をまるまる裏配線用のスペースとして利用できるため、「圧倒的に配線が楽」だという。

Passive Cooling Chamber側。左上に5インチベイ、右横に2.5インチベイ、右下に電源ユニットという配置

エリアが2つある分、横幅は一般的なミニタワーやミドルタワーと比べて1.5倍ほどの大きさとなるが、5インチベイをそのまま別のエリアに移すことによって、奥行き削減した。Corsairによると同社の「Obsidian 350D」とそれほど大きく変わらないという。

これまで1個所に収めていたものを分散させたので、その分広いスペースを確保している

トップパネルに280mm×1基、フロントパネルに360mm×1基と合計2基のラジエータを取り付け可能なほか、GPUは最長320mmまで、CPUクーラーは最大170mm、電源ユニットは200mmまでのATX電源を搭載でき、拡張性も高く設計している。

主な仕様

このほか、標準のケースファンとして140mmファンをフロントに2基、リアに1基搭載するほか、オプションとしてトップに2基、リアに1基のファンを増設できる。拡張スロットは8基、フロントのインタフェースはUSB 3.0×2、スピーカー出力×1、マイク入力×1。重量は7.4kg。店頭想定価格は18,000円前後の見込み。

発表会は秋葉原のmoe farreで行われた。女の子2人でケースを持ってみたところ。不思議な取り合わせだ

Carbide 330R

続いて同じく「Carbide」シリーズから「330R」を紹介。「『Obsidian 550D』の弟分」というポジションの製品で、静音性に力を入れたモデルとなっている。

Carbide 330R

フロントとサイド、トップパネルの内側に吸音材を取り付けるほか、ファンのノイズも抑えるため口径が大きい140mmファンを標準搭載する。

フロントパネルやトップパネルなどパネルの内側に吸音材を配置。フロントには140mmファンを搭載。標準搭載は1基だが、写真ではオプションも含めて搭載している

フロントパネルのヒンジの部分は取り外しが可能で、パネルを取り外し状態でも利用できるが、ヒンジの取り付け部分を変えて左開き、右開きのどちらも対応できる

静音設計の場合、エアフローの確保など冷却性とのバランスが気になるが、5インチベイ部分にメッシュ加工した吸気部分を設けている。また、天井部に240mmや280mmのラジエータを搭載できるスペースも用意する。標準搭載ファンはフロントに140mmファン×1基、リアに120ファン×1基。

製品の特徴

搭載ベイは5インチベイ×3基、3.5/2.5インチ共用ベイ×4基を備える。GPUは最長450mmまで搭載できる。拡張スロットは7基、フロントのインタフェースはUSB 3.0×2、スピーカー出力×1、マイク入力×1。本体サイズはW210×D495×H484mm、重量は6.8kg。店頭想定価格は12,500円前後の見込み。

拡張性も確保されている

主なスペック

次のページ:Duck氏によるメモリオーバークロックデモも