サイバー犯罪は米国経済に年間1000億ドルもの損失を与えており、50万8000人の雇用喪失につながっているという。米McAfeeと戦略国際問題研究所(CSIS)が7月22日(米国時間)、サイバー犯罪による米国経済の損失についての報告書「Estimating the Cost of Cybercrime and Cyber Espionage」を発表した。

この調査はCSISがサイバー犯罪を理解するために行った初めての調査で、アンケート形式ではなく窃盗や交通事故など現実世界の損害計算を参考にしている。

サイバー犯罪が及ぼす被害を、知的所有権の損失、機密情報の損失、サービス障害やオンライン活動への不信感による機会費用、事後のネットワークの安全対策やサイバー犯罪からの復旧、ブランドイメージなど風評被害の6つの分野から分析。サイバー犯罪分野で実際経済のモデリングを利用した初の調査という。

その結果、サイバー犯罪が米国経済に与える損失を年間1000億ドルと見積もっている。また、知的所有権損失により製造関係の雇用が海外に移るなどのことを想定し、雇用に与える影響は50万8000人と割り出している。世界経済では、損害額は3000億ドルから4000億ドル(年間)と予想している。

報告書(PDF)はインターネットで公開しており、McAfeeとCSISは第2弾として、サイバー犯罪とイノベーションについての報告書を発行する予定。