クラウドファンディングとKickstarterについて

--:それでは最後になりましたが、クラウドファンディング、Kickstarterに関しておうかがいしたいと思います。最初からクラウドファンディングは最初から利用するつもりだったのですか?

石渡氏:はい。そうですね。

--:世界規模で見た場合、クラウドファンディングはいくつかありますし、国内にもあります。英国のKickstarterを選んだ理由は何でしょう?

石渡氏:やはり、世界で一番有名なクラウドファンディングである点ですね。世界的に注目度が高いですから。RAPIROは初めから世界をターゲットにしたいというのがありましたので、国内のクラウドファンディングは考えていませんでした。

--:確かに、日本のものづくりの技術力にしろ、ロボットのデザインセンスにしろ、アニメなり何なりで世界的に評価されているから、世界がターゲットでも注目してもらえる可能性は高いですね

石渡氏:ただ、英語なので日本の方が決済しにくいという点は難点ですね。

--:今のところ、日本人でKickstarterを通して申し込んでいる方は少ないということでした

石渡氏:実際にはまだ申し込んでくれている方すべての国籍がわかっているわけではありませんが、先ほどいいましたように米国人が圧倒的に多くて、その次が英国人。その次がそう多くはありませんが、日本人ですね。あとは、ヨーロッパ諸国やロシア、ブラジルなど世界中のさまざまな国が少しずつという感じです。

日本人が少ないのは、やはり英語の指示でクレジット決済をするのは、ちょっと二の足を踏んでしまうところがあるのは間違いないと思います。

あと、ポンドだとレートがわかりにくいところもあるのではないでしょうか。今は1ポンド=150円前後ですね。Kickstarterに関しては、もちろん盛り上げたいと思っていまして、日本からも応援していただける方が増えれば増えるほど私としてはありがたいとはもちろん思っていますが、やはり英語のが壁がありますので、無理にKickstarterで購入していただく必要はないかと思います。

といいますのも、すでに量産できることが決定していますので、日本国内向けの販売の仕組みも後ほどちゃんと用意する予定だからです。ただし、定価販売となる国内向けの仕組みよりは、Kickstarterは送料も含めてだいぶお得になるようには設定していますので、がんばって決済していただければ、その分の見返りはあるかと思います。

--:確かに、英語での決済は勇気がいりますね(画像13)

画像13。Kickstarterで決済を進めている際の画面の1つ

石渡氏:はい。ですので、私としても、せっかく応援していただいた方が嫌な思いをするのはまったく望んでいませんので、納得していただいた上で英語で決済できる自信のある方に応援していただければと思います。基本、Kickstarterは主に本国のイギリスとアメリカ、あと英語が通用する地域をターゲットとしていますので、英語が不安な方は、もうしばらくお待ちください。

--:Kickstarterが8月19日までということですが、その後の展開はどんなことを考えているんでしょうか?

石渡氏:実際のところ、Kickstarterでどれぐらい注文が集まるのか予測がつかないんですよね。あまり申し込みが集まり過ぎてもお送りするのにお待たせする形になってしまって、申し訳ないなと。集まり過ぎない限りは、最初の50台だけでなく、申し込んでくれた方には12月中の発送という形になります。製造の段階でどんなことが起こるかわからないところがあるので、現時点ではまだ12月中、といういい方しかできませんが、できればクリスマスまでには間に合わせたいですね。

--:目標はありますか?

石渡氏:Kickstarter終了後の通常の販売も含めての話になりますが、まず1000台を販売することですね。もちろん、1000台を完売しておしまいという意味ではなくて、それを超えたいとも思っています。Kickstarterは3個セットとか5個セットというセット販売ができなくて、1人1個しか買えない仕組みで、今は完全に個人向けなんですね。でも実際には教育機関にこそ利用してもらいたいところなので、もしそうした教育機関にまとめて購入してもらえるようになったら、1回の個数の桁が変わってくるかと思います。今後は、世界で話題を作ることができたので、生産数をだいぶ伸ばせるのではないかと思ってます。それから、Kickstarterのファンディングとしては、300%を目指してます。

--:本日はありがとうございました

石渡氏:ありがとうございました。