ヤマハは20日、「VOCALOID3」対応の男声歌声ライブラリ3本を同梱したパッケージ「VOCALOID3 Library ZOLA PROJECT」発売記念イベントを開催し、その中で音楽プロデューサーの浅倉大介氏と作詞家の森雪之丞氏によって作られた公式デモソング「BODERLESS」を発表した。
「VOCALOID3 Library ZOLA PROJECT」は、「VOCALOID」製品で初めて、歌声の主が異なる複数の歌声ライブラリをひとつにまとめて販売する製品。ソロだけでなく、ユニゾンやコーラスを用いた歌声の制作にも適しており、付属のVOCALOID3 Job Plugin「ZOLA_Unizon」により、歌声パラメータをユニゾンやコーラスに適した値に自動調整することもできる。公式デモソング「BODERLESS」は「ZOLA PROJECT」の"デビュー曲"という位置づけで、数多くのアーティストに曲を提供してきた浅倉氏も、ボーカロイドに曲を提供したのは今回が初めてとなる。
同楽曲に関して、浅倉氏が曲中に「ZOLA(ぞら)」というフレーズを入れてほしいとオファーしたことをきっかけに、森氏がこの単語からほかのフレーズも連想していったという制作秘話も飛び出した。また、森氏が詞を作るにあたり、浅倉氏のビートを強調したメロディを生かすため、発音が難しい促音(小さな"つ")や「ん」などを多用したというエピソードには、浅倉氏が冗談めかしつつ「S心のある詞」とコメント。そんな楽曲を歌い上げた「ZOLA」という歌声ライブラリの完成度については「本当にすごい、3人に拍手を送りたい」と絶賛していた。
今回の制作を振り返り、浅倉氏は「ボカロPの調教に関しては本当に駆けだしなので、僕もプロの"調教師"を目指したいと思います」と語ったほか、次に同ライブラリを使って作成してみたい曲について聞かれると、「ハーモニーがとても綺麗なので、バラードなども聞いてみたいですね」と一言。同ライブラリを使うであろうユーザー、つまり"ボカロP"に対しては、「ボカロPの方々はアイデアをたくさん持っているので、それをZOLAの3人で形にしていってもらえたら」とメッセージを送った。