米Appleは来年にかけて大画面ならびに複数のカラーバリエーションを持ったiPhoneを展開していく計画だという。現在、同社は最新モデルで4インチの画面と白・黒の2種類のカラーバリエーションを展開しているが、さらにこれが拡大する可能性が指摘されている。英Reutersが関係者の話として伝えている。
冒頭の説明のようにAppleは最新モデルの種類を絞り、旧モデルを廉価版として継続販売し、ユーザーのニーズをカバーする戦略を採っている。一方で今年は同社が新しいコンセプトのiPhoneとなる、いわゆる廉価版iPhoneを市場に投入する可能性がたびたび報じられており、もし製品が実際に投入された場合は同社にとってターニングポイントの年となるとみられる。だが今回のReutersの報道の一部は、こうした話とはある意味で逆行するコンセプトを打ち立てるものだ。
Reutersによれば、Appleは大画面モデルと同時に、安価でカラーバリエーションを持つiPhoneの準備を進めているという。後者はいわゆる「廉価版iPhone」に該当するものだが、前者についてはハイエンドモデルを補完し、SamsungをはじめとするAndroid勢がリリースしている大画面スマートフォンに対抗するものだ。だが同社がアジアのサプライチェーン筋の情報として伝える内容によれば、現在Appleがテストしているのは4.7インチと5.7インチの画面のモデルで、実際にこれが製品化に近いプロトタイプかは不明なものの、さまざまな可能性を模索している段階のようだ。おそらくは、時期から考えれば来年以降に登場のモデルの話だと考えられる。
ライバル対抗というロジックとしては順当なものの、いわゆる「ファブレット」などとも呼ばれる5インチオーバーの画面サイズを持つスマートフォンの可能性について、Appleがどのような見解を持っているかは不明瞭だ。iPad miniとサイズ的に近く、このレベルの画面サイズを持つスマートフォンを求めるユーザーがどのくらいの割合存在するのかを考えれば、ライバル対抗だけを理由にAppleが製品投入を行うかは微妙なところだ。