DELTA

DELTAというメーカーをご存じない方もおられようが、OEMがメインの電源メーカーであり、ODMにも力を入れているので、そうとは知らずにDELTAの電源を使っているユーザーも意外と多いのではないかと思う。そのDELTAは南港5Fにそれなりの面積のブースを使ってデモを行っていたのだが、まず目に付くのがこれ(Photo01)。もっともこれは単に目を引くためのオブジェであるのだが、それとは別に2.1A出力×2を取れるUSBアダプタ(Photo02)とかLED電球(Photo03,04)など、妙にユーザー寄りの製品展開を始めているのはちょっと驚きだった。また、まだ製品として販売しているわけではないそうだが、EV用の電源チャージャーのソリューションのデモなども行われており(Photo05)、非PC分野というか非IT向けの販路を開拓しようとしている雰囲気が良く伝わってきた。もちろんIT分野製品の展示もあった(Photo06,07)が、もうPC用電源そのものを展示する必要はないと考えたのかもしれない。

Photo01: ただ聞いたら別に風量発電の分野に乗り出すわけではなく、単にそこらに売ってる(?)風力発電機にDELTAのロゴをいれただけだとか。

Photo02: 最大出力21W(5V/2.1A×2)以外に、過電圧/過電流/過電力/ショート/温度上昇の保護機能を持ち、変換効率は82%以上というあたりはさすが電源メーカー。

Photo03: DELTAブランドのLED電球。ちょっと欲しいw

Photo04: こちらはシャンデリアなどに使うE14電球タイプ。

Photo05: EVへの給電システム全部という訳ではなく、給電回路部のみを提供という話だそうで、実際には自動車メーカーなどの制御システムが別に必要になるとか。

Photo06: サーバーラック向けの給電システムの提案。UPSや配電盤、冷却システムなどから構成される。

Photo07: ラックの上段に入っているのが同社の配電盤やUPS。

Anching New Energy Machine & Equipment Co., Ltd.

もっと本気(?)なシステムを持ち込んで展示していたのがAnching New Energy。中核になるのは同社のIntegrated Solar Lithium Battery Pack(Photo08)。これは要するに単なるバッテリーパックだが、更に"Hybrid Solar Inverter/Charger"(Photo09)を組み合わせることで、普段は太陽電池(Photo10)の出力を使い、これが十分でない時だけ外部からACの供給を受ける形で安定して電源供給が可能である。またIntegrated Solar Lithium Battery Packにはコンセント単位での電力消費監視/制御機能もついており、実際にコントロールパネル(Photo11)から照明(Photo12)の制御を行うデモも行われていた。

仕様としては全世界対応なので、例えば日本向けに100V 50/60Hzの出力に対応することも可能だとか。お値段は? というとシステム一式で1万ドル(USD)程度だそうで、この手のものとしてはそれほど高くない。ただ日本に代理店などはまだないとか。面白いとは思うのだが、COMPUTEXではなく住宅設備展などに出展すべきだったのではなかろうか?

Photo08: 写真下の巨大なデバイスが"Battery Pack"。4KWh(160Ah・48V DC)のバッテリー×2が収められている。

Photo09: これ1台で、最大3KWまでの出力に対応可能だそうである。

Photo10: 太陽電池までは販売していないそうだが、殆どの太陽電池には対応できるという話だった。また太陽電池を屋根などに搭載するための"Modulized PV Racking System"は販売されている。

Photo11: これは制御画面であるが、消費電力の具合とかバッテリーの充電状況を表示することも可能。ただし反応はやや鈍め。ちなみにクラウド経由でPC/Tabletなどからリモートで監視/制御も可能だとか。

Photo12: この照明のOn/Offがこのシステムで制御可能になっていた。

Home LOHAS

今更「LOHAS」はやや死語な気がしなくもないのだが、自宅でLOHASを提唱するのがこの会社。ちなみに本業はCFI(Chyangfun Industry Company:強復工業有限公司)というPCケースなどを作っている会社なのであるが、ブースの半分はこのありさま(Photo13)。要するにPCケースを作る技術を生かして(?)、屋内で植物を栽培できるケースを提供しているわけだ。

キットそのものはこんな感じで提供される(Photo15)。ケース上部からは太陽光に近い成分のLED照明が内蔵されており、屋外と比べて植物の生育に差が無いそうであり、また水が無駄に蒸発したりせずに循環するので効率的だとしている。マンションなど、植物を植える場所が限られるユーザーにはいいかも?

Photo13: この反対側は普通にPCケースが並んでいるだけに、ちょっと異様な風景。

Photo14: 看板には「小白菜(Chinese Cabbage)」とあるが、要するに青梗菜の一種? 大変に元気そう。

Photo15: 外装はステンレス製ということもあり、見た目よりも重い印象だった(同社のサイトによれば寸法は810mm×540mm×425mm、重さは21Kgとか)。ちなみに同社の説明によれば、この製品は"Home Appliance"という分類だとか。うん、間違ってはいない。

Areca

少しPCに近い話題を。Areca Technology Corp.といえばインターフェースの会社であり、SATA/SAS/PCIe/Thunderbolt/etc...の各種I/Fカードや拡張ボックス類を提供しているが、ここがさりげなく参考展示していたのがARC-1883x(Photo16)。近日発売予定という以上の情報は開示してもらえなかったが、これまでLSIしか提供してこなかったSAS 12Gのコントローラを提供するベンダーが増える兆しを見せていることで、より普及が加速しそうである。

Photo16: 仕様的には既存のARC-1882xのSAS 12Gbps対応版と思われる。

Yotta Labs

最後にこちらの話題など。何しろ全面的に写真撮影禁止ということでブースの写真すらないのだが、同社のWebページに行くと多少情報がある。提供するのはビデオのEncode/Decodeを行うSoCで、H.264以外にI.264(同社の造語で、H.264 High ProfileにIntelligence処理を加味したものらしい)をサポートするそうだ。Post ProcessとしてはFace DetectionとかMotion De-blurなども含まれていてなかなか面白そうなのだが、単体チップで販売することにどこまで勝算があるのかはやや謎。個人的にはIPで売ったほうが良いような気がするのだが、同社はチップ売りで行けると思っているようだ。一時期に比べると、こうしたSoCベンダーがずいぶん減った気がするので、がんばって欲しいとは思うのだが。なお同社のページには日本語も用意されている。