GIGABYTEは、同社製マザーボードを利用しているという"NUC"を多数出展していた。NUC自体はIntel独自規格の小型PCであるため、今回のモデルは厳密にはNUCではないのだが、サイズやコンセプトは同様のものとなる。さらに面白いのは、IntelのライバルであるAMD製APUをベースにしたモデルもラインナップしていることだ。
既にGIGABYTEでは、オリジナル"NUC"である「BRIX」の日本市場向け投入を発表しているが、COMPUTEXで見ることができたのはその派生モデル。ちなみにBRIXの日本向け発表時、その発売時期や価格は未定としていたが、ワールドワイドでの発売は今年のQ3中で、価格は199ドル~であることがわかった。価格は搭載CPUのグレードなどに左右される部分が大きいと予想できるが、おおよそ上記の時期や価格帯で、日本市場にも登場するものと考えられる。
さて、そのBRIXの派生モデルだが、AMD製APUをベースとしたモデルのひとつが「GB-XM1(Kabini)」。こちらの記事で、SAPPHIRE製マザーボードを搭載するSilverStoneのAMDベース"NUC"を紹介したが、GIGABYTEも出展してきた。GB-XM1(Kabini)では、Kabini(開発コードネーム)世代の「AMD E1-1200」を搭載するエントリーモデルから、「E1-2500」、「E2-3000」、「A4-5000」搭載まで、4機種をラインナップする計画だ。
GB-XM1(Kabini)のインタフェース類はBRIXよりやや豊富で、背面にHDMI×1とDisplayPort×1(デュアルディスプレイ対応)、USB 3.0×2、GigabitEthernetを備え、前面にもUSBを2ポート備える。ほか、Wi-Fiモジュールを内蔵。きょう体サイズはBRIXと同じとしていたので、W107.6×D114.4×H29.9mmの超小型サイズとなる。また、BRIX同様にVESAマウントにも対応している。
もうひとつAMDベースのモデルとして出展されていたのが、「GB-XM1(A8+MXM)」だ。こちらはその名の通り、APUをクアッドコアの「AMD A8」に強化し、さらにMXMモジュールのディスクリートGPUまで搭載した高性能NUCだ。展示機ではAPUに「A8-5545M」、MXMはモデル不明だがRadeon HD 8000MシリーズのGPUを搭載するとしていた。ほかインタフェース類はGB-XM1(Kabini)と同じ。ただ、そこまで詰め込んだぶん、きょう体はやや大型化し、フットプリントこそGB-XM1(Kabini)と同じだが、高さは1.5倍程度になってしまっていた。
Haswell搭載版として出展されていたのが、「GB-XM1(Haswell)」だ。こちらはIvy Bridge搭載のBRIXの正等進化版といった感じで、きょう体のサイズ等はそのままに、CPUを一世代アップグレードしたモデルとなっている。エントリーモデルで「Intel Core i3-4010U」搭載から、最上位モデルでは「Intel Core i7-4500U」搭載までラインナップを用意する予定だそうだ。
なお、ここまで紹介したNUC(っぽい)製品はすべて、発売日や価格は現時点では未定となっていたが、製品担当者によると、すべて2カ月以内には市場投入を開始したいと話していた。
最後に、BRIX派生のコンセプトモデルとして出展されていた「GB-XM1(wireless charger)」も紹介しておきたい。きょう体サイズはGB-XM1(A8+MXM)と同じやや高さがあるタイプで、中身はIvy Bridgeベース。きょう体の内部に、ワイヤレス充電対応のスマートフォンなどに給電できるQi対応モジュールを入れてみた、というモデルだ。そもそも需要があるのか……など、まだまだ要検討な部分が残るため、こちらの製品化は未定だそうだ。