モバイルセキュリティのLookoutは6月6日、「世界に蔓延するモバイル脅威」レポートを発表した。これによると、日本のモバイル脅威に関する危険度はインドの1/7、米国の1/2にとどまるという。

同レポートは、Lookoutのモバイルセキュリティアプリを新規にインストールしたユーザーの端末から、最初の1週間で検知されたマルウェアを分析したもの。調査期間は2013年1月~5月16日。新規インストール数は公表されていないが、同社のセキュリティアプリは世界で3000万人に利用されているという。

日本は他国と比較して脅威に遭う可能性が低い

今回のレポートは対象国を米国、英国、ドイツ、日本、インドに絞って分析されている。各国のモバイル脅威に遭遇する確率としては、インドが5.49%と一番高い。続いてドイツ(2.37%)、英国(2.16%)、米国(1.66%)となり、日本が0.78%で一番低い数字となっている。

同社では、日本が比較的安全である理由として「プレミアムSMS」を挙げている。プレミアムSMSは、コンテンツ課金や少額決済などに利用されているSMSで、スマートフォンの普及が進む中でも欧州などでは未だに利用されているという。

また、5カ国合計の脅威をタイプ別に表した割合では、「アドウェア」が一番多くの割合を占め1.60%のユーザーが感染している。アドウェアは広告プラットフォームを通じて、ユーザーの個人情報を収集するアプリで、インドで人気のあるゲームアプリを標的にしているという。2番目に多い「トロイの木馬」は、0.5%のユーザーが感染していた。

3番目の「チャージウェア」は、ユーザーに明確に課金を行う通知を出さずに課金するアプリで、0.22%のユーザーが感染している。4番目に多い「サベイランスウェア」が、0.24%となっている。サベラインスウェアとは監視ソフトウェアのことで、ユーザーに知らせずに個人情報を取得、送信する。割合として一番少ないのはスパイウェアで、0.10%。

日本のマルウェア感染率0.78%(Lookoutの推計)のうち、アドウェアが0.5%、トロイの木馬が0.21%で大半を占めている。同社では、個人がモバイル脅威に遭遇する確率は低いとしながらも、脅威の種類が増えつつあることを認識することが重要だとしている。