「5色トナー」のプロフェッショナル向けモデル

沖データは22日、同社のプライベートショー「OKI PRNCOM 2013」にて、印刷やデザイン市場に向けたプロフェッショナル向け複合機の新ブランド「MICROLINE VINCI」と、新モデルとなるMICROLINE VINCI C941dn / 同C931dn / 同911dnの発表を行った。対応用紙サイズをA4に絞った複合機、COREFIDO MC780dn / 同MC780dnfも発表した。

今回発表された製品のCOREFIDO MC780dnf(左から1番目) / 同MC780dn(左から2番目)。右側の2製品はMICROLINE VINCIシリーズ

新製品に対する概要を説明する沖データの平本隆夫社長。従来オフィスプリンタ市場を主軸にしていたが、コピー機が使われている&成長が見込まれるオフィスソリューションを第1成長領域として展開。さらにプロフェッショナル市場へ向けた第2成長を展開するという

新ブランド名に使われているVINCIは芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチに由来しており、同氏は芸術面だけでなく広い分野で業績を残した「万能人」として知られている。今回の新ブランドでも、デザインに関わるプロフェッショナルに対して性能やサービス面など、あらゆる面で万能と満足してもらう思いを込めたという。

新モデルのうちC941dnは、一般的なフルカラープリンタに使われているCMYKの4色トナーに加えて、白または透明のトナーが利用できる同社初の5色トナー対応が特徴。透明フィルムや色/柄付きの紙に印刷する際に、ベースとなるホワイトトナーを入れることで、下地に左右されない印刷が行える。また、厚紙や透明フィルム、転写紙などの様々な印刷媒体で利用でき、従来は外注を使用していた工程も内製化が可能となり、納期短縮や業務効率化の期待ができるという。

MICROLINE VINCI C941dn。新ブランドとして3製品をリリースしているが、最大の特徴である5色トナーを持っているのは最上位のこの製品

タンデム方式のLEDプリンタに、新たに透明または白色のトナーユニットを装着。ツヤを出したプリントや白色プリントが可能となる

透明プリントをウォーターマークのように使ったサンプル。反射率が高めで白っぽく見えるのが、透明トナーによる上書きだ

白色トナーだけを使ったしおりのサンプル。かなり厚い用紙にも対応している

MICROLINE VINCIシリーズを導入することで、従来は後加工の外注に出す必要があった部分を内製で対応可能になり、生産性の向上に役立つという

サービス面では、従来の5年間無償保証に加えて、専用コール窓口と当日オンサイト修理を提供する「5年間無償保証プラス」を新たに提供。トナーとドラム以外の消耗品に関しては5年間無償提供となり、ユーザーが交換することでメンテナンスコストの低減を実現する。

なお、今回の新モデルのうち5色トナー対応はC941dnのみで、5年間無償保証プラスはC941dn / C931dn、C911dnは6カ月保証となっている。各モデルの基本スペックは、最大A3ノビ対応、印刷解像度1,200dpi、16階調、フルカラーで毎分50ページとなっている。価格はC941dnが1,467,900円、C931dnが942,900円、C911dnが522,900円。出荷は2013年7月中旬を予定している。

MICROLINE VINCIシリーズは、COREFIDOで提供されていた5年間無償保証に加えて、専用コールセンターと当日出張修理に対応した5年間無償保証プラスに対応(C911dnを除く)。また、メンテナンス品(トナーとドラムは含まれない)の5年間無償提供を行い、これらはユーザーに直接送付。ユーザーが交換することで、メンテナンスコスト(技術料や出張費)を抑える

「あえてA4までに絞った」複合機

同時に、複合機のCOREFIDO MC780dn / 同MC780dnfも発表された。オフィスではA3対応の複合機/プリンタを導入するケースも多いが、沖データの調べではA4サイズ以下の出力が全体の約94.3%を占めるという。

COREFIDO MC780dnf。インラインフィニッシャーとオートステープルに対応しており、機能的にはA3で100万円クラスの製品に匹敵するという。9インチという大型の液晶モニタを備え、トラブル時の表示なども分かりやすい

下位機種のMC780dn。インラインフィニッシャーはないが、右にステープラー機能があり、手で差し込めば綴じられる

そこで、100万円以上のA3複合機並みの機能(A4出力40ppm、100枚給紙両面ADF、インラインフィニッシャー・ステープルなど)を持たせた上で、設置面積を20%以上削減し、さらに価格を半分以下に抑えたMC780dnfを投入。

予算を抑えつつ、社内のプリンタ台数を増やすことを提案する。印刷に使うプリンタ/複合機を分散させることで、プリント待ちや出力物を机から取りにいく距離を減らし、業務効率を上げる。また、仮にプリンタが故障しても、他のプリンタで補完することで業務を止めない。価格と出荷時期は、MC780dnfが470,400円で8月中旬、MC780dnが386,400円で7月中旬を予定している。

あえてA4機をリリースした理由として、ダウンサイジングによるコスト削減と分散配置によってプリント待ちを減らし、業務効率の改善を目指す

オフィスの印刷にはあまり使用されないというA3サイズに対応しないことで、省スペースと低コスト化を実現。そのぶん、インラインフィニッシャーや100枚給紙両面ADFなどの機能を高めている

複合機COREFIDOのCMお披露目とトークショーも

製品発表会に続いて、複合機COREFIDOの新TV CMが披露された。CMには去年に引き続き、女優の菅野美穂さんが出演している。

プリンタ選びに対して、価格、丈夫さ、LEDのシンプル構造、メンテナンスの容易さ、保障期間5年間、メンテナンス部品の無償提供5年間で絞れば、「結局、これがベストの効率!」ということでCOREFIDOになる「新基準編」、今回発表されたA4複合機に絞った「A4複合機編」、さらに映画「奇跡のリンゴ」のタイアップ版が放映される予定だ。

ここで菅野美穂さんが登壇し、沖データの平本社長を交えたトークセッションになった。

「今回のCMは、プリンタを選ぶポイントを絞っていくとCOREFIDOが残るというストーリー。菅野さんの感想は?」という問いかけに対して、菅野さんは「一貫して変わらない『頑張って働いている方を応援する』という気持ちが表れている」と返答。

一方の平本氏には「商品選びのポイントで絞っていくと、残るのはCOREFIDOという自信を感じるのですが」との問い。「商品作りに関して管野さんがおっしゃったように、忙しい現場の皆さんをプリンタや複合機を通して応援していく。それが業務の効率化のお手伝いの1つになっている」(平本氏)。

また、管野さんが主演している映画「奇跡のリンゴ」に対して、沖データが応援していることも紹介していた。奇跡のリンゴに関しては、沖データの「物作りにかける想い」「現場に愛を届ける」といった考え方に共通点があり、平本氏も試写会に足を運んだそうだ。