ノートPCでは一番の売れ筋となっている15.6型の据え置き型スタンダードノート。マウスコンピューターの「LuvBook」では、1366×768ドットの液晶ディスプレイを搭載し、CPU内蔵グラフィックス機能を使用するエントリーモデルの「LuvBook F」シリーズ、GeForce GT 740Mを搭載した「LuvBook T」シリーズ、1920×1080ドットのフルHD液晶とGeForce GT 650Mを搭載したハイエンドモデルの「LuvBook K」シリーズの3シリーズが用意されている。

今回紹介するのは、その中でミドルクラスに相当する「LuvBook T」シリーズだ。「LuvBook T」シリーズ自体はこれまでも存在していた製品だが、この4月末にフルモデルチェンジが行われ、求めやすさとパワフルさはそのままに一層スマートなマシンに生まれ変わった。今回は、シリーズの中からCore i5を搭載する「LB-T520S」(販売価格79,800円)の実機に触れ、基本性能およびコストパフォーマンスの高さをチェックしてみよう。

新「LuvBook T」シリーズの「LB-T520S」

最新のGeForce GT 740Mを搭載し、従来比8mm削減の薄型ボディを採用

マウスコンピューターの「LuvBook T」シリーズは、価格と性能のバランスがいい、コストパフォーマンスに優れたモデルで、メインマシンとして使えるスペックを備えながらも最小構成(Core i3搭載エントリーモデルの「LB-T520B」)で69,930円からと、比較的手の届きやすい価格に抑えられているのが特徴だ。

また、グラフィックスチップとしてNVIDIAのモバイルPC向け最新GPU・GeForce GT 740Mを搭載している。GeForce GT 740Mは、モバイル向けGPUのGeForce 700Mシリーズに含まれるミドルクラスのチップで、従来のGeForce 600Mシリーズに続く新製品として登場した。600Mシリーズ同様、最新のKeplerアーキテクチャを採用したモデルと、その前の世代にあたるFermiアーキテクチャを採用したモデルの両方が混在しているが、GeForce GT 740MはKeplerベースの製品となっている。

GeForce 700Mシリーズの最大の特徴は、マシンの冷却性能に余裕がある場合、GPUの動作周波数を定格より引き上げる「GPU Boost 2.0」機能だ。GeForce GT 740Mでは、CPU内蔵グラフィックス機能の「HD グラフィックス 4000」と比較した場合、最大で約4倍の描画パフォーマンスを期待できるという。これにより、グラフィックス性能に制限のあるノートPCでも、一定の範囲で3Dグラフィックスを多用したゲームに対応することが可能だ。

その一方、CPU内蔵グラフィックス機能は消費電力が低いというメリットもある。GeForce 700Mシリーズでは、従来製品同様に「Optimusテクノロジ」と呼ばれる省電力技術を搭載しており、グラフィックス負荷が小さいときには自動的にGeForceをオフにして、CPU内蔵グラフィックスに切り替えるようになっているので、必要なときには高いパフォーマンスを得ながら、消費電力を抑えバッテリー駆動時間を長く保てるようになっているのが特徴だ。

1366×768ドット表示の15.6型ディスプレイとGeForceを搭載する特徴は、従来モデルから継承しているが、今回の新製品では新設計のボディを採用し、これまでの「LuvBook T」シリーズから約8mmの薄型化を実現。従来の同等モデルに相当する「LB-T516B」のサイズが376×252×34.9mmだったところ、本機は374×252×26.8mmと、幅および奥行き方向のサイズを犠牲にすることなく、純粋に厚みのみを削減している。また、奥から手前に向かって薄くなるくさび型のデザインとなっており、手前の最薄部ではわずか14mm。スペック表のサイズ表記以上にスリムさを感じさせる形状となっている。

天板のカラーはチャコールグレー、表面はヘアライン仕上げになっており質感も高い

15.6型のサイズを活かし十分に余裕のあるキーボード。テンキーも搭載

周辺部が内側へカットされているのでスペック表の数字以上にスリムな印象。本体手前左端にはメモリーカードリーダーを搭載

本機は基本的には家庭や仕事場に据え置いて使用するための製品であり、毎日の通勤・通学で携帯するのは厳しいが、3cmを切る厚さがを実現したことで、たまに持ち運んで使うという用途なら視野に入ってくる。作成中の書類を編集環境ごと学校やオフィスへ持っていったり、友人宅でいつも遊んでいるゲームを楽しむといった使い方ができるのはメリットといえるだろう。

スリムになってもメインマシンとして使うための拡張性・内蔵機能は変わらず充実しており、本体にはUSB 3.0×2ポート(1ポートはeSATA兼用)、USB 2.0×2ポート、アナログRGBおよびHDMIのディスプレイ出力、有線LANポート、SD/メモリースティック対応カードリーダー、ステレオスピーカーなどを搭載。ディスプレイ上のWebカメラは従来モデルの100万画素から200万画素へアップしている。

合計4ポートのUSB、2系統のディスプレイ出力など入出力端子は充実

タッチパッドは面積の広いものを採用し、操作性を高めた

200万画素のWebカメラをディスプレイ上に内蔵