幅広いパーツの選択肢と充実の性能・コストパフォーマンスが魅力のツートップ製PC。コンパクトなスリムPCからハイスペックなタワー型まで、ユーザーのニーズに応じたさまざまなモデルが用意されているが、その中で「WSS Quadro」シリーズは、単にハイスペックかエントリークラスかという軸ではなく、グラフィックス制作を中心とした、クリエイター向けモデルに位置づけられているのが特徴だ。
同シリーズには「エントリー」「スタンダード」「ハイエンド」の3つのモデル群が用意されているが、今回はスタンダードモデルの「WSS TQ2000-S」(標準構成価格159,800円)に触れ、16万円を切る価格でどこまで作業環境が充実しているかをチェックしてみよう。
NVIDIAのQuadroシリーズを採用
その製品名からもわかるように、WSS QuadroではグラフィックスカードにNVIDIA製のQuadroシリーズを採用している。
すでにQuadroシリーズを使用中のユーザーには釈迦に説法だが、同社の一般コンシューマー向けグラフィックスカード・GeForceが、ゲーム用APIであるDirectXに最適化されているのに対し、QuadroはOpenGLアプリケーションの実行について高い性能が得られる仕様となっており、グラフィックス制作ツール、CAD、医療画像処理、研究開発など業務用途での使用が想定されている。
またQuadroシリーズは、多数のプロフェッショナル向けグラフィックスツールで標準的にサポートされるGPUとなっており、動作を保証するグラフィックスカードとしてQuadroが指定されていることが多い。性能が高いというだけでなく、制作ツールが確実に動作し、正確な描画が得られるという点でも、Quadroはプロの作業環境に必須のものなのだ。
WSS TQ2000-Sでは、Quadroシリーズの中でミドルクラスの性能を持つQuadro 2000を標準搭載しており、3DCG制作、ビデオ編集、CADなど幅広い用途に対応できる。カードは定評のあるELSA製で、DVI-I×1ポート、DisplayPort×2ポートを搭載している(同時使用はこのうち2ポートまで)。また、プラス30,900円で上位モデルのQuadro 4000に変更することも可能だ。