富士通研究所は1日、SNSなどのビッグデータを、リアルタイムで分析できる高速処理技術を発表した。これを活用すると、例えば多数の乗客がいる電車中でも、位置情報に基づく情報や飲食店情報など、各ユーザーに適切な情報をスムーズに提供できるとする。

従来、大量のデータをリアルタイムに分析するには、サーバの高性能化に加えシステム全体の性能を向上させる必要があった。

今回の新技術では、サーバ上で動作するデータ分析ソフトウェアと、データの格納処理を行う管理ソフトウェアを密に連携させた。これにより、一度に処理するデータをまとめて読み書きさせ、ディスクへのアクセス回数を低減。また、データをまとめて読み書きする際、負荷状況に応じて動的にデータ量を調整し、適切な性能が出るようにした。

新技術により、従来からスループットが5倍以上向上。商品の購入記録から次の行動を推奨するレコメンデーション分析など、数分から数十分前に発生したデータを即座に分析・反映できるという。

同社では今後実証実験などを進め、2014年度の実用化を目指す。

技術のポイント。データの読み書きをまとめた上で、状況に応じて適切な分量のデータに調節する