どんな分野に身を置くクリエイターであっても、共通して悩まされるのはアイデアの発想。企画を立てる作業は、調子がいい時はとても楽しいものですが、いったん行き詰まると途方もなくつらいものです。そこで、クリエイターの永遠の悩みである「アイデアの発想」について、脳科学者の茂木健一郎氏に直撃。アイデアが生まれやすい脳の状態や適した時間帯など、発想に関することを聞いてみました。

脳科学者・茂木健一郎氏

――クリエイターにとって企画の発想はとても大切なことですが、良いアイデアが生まれやすいのは、脳がどういった状態にあるときが多いのでしょうか。

集中した状態からリラックスした時です。でも、考えたいものの周辺情報など、そもそもの情報がなければアイデアは生まれてこないので、いろいろな角度からの情報をまず頭の中にインプットします。その後に散歩としたり、お風呂に入ったりというリラックスタイムを設けると、ふっといいアイデアが生まれてくることが多いです。

――脳を活性化させやすくする食べ物や飲み物、場所などがあれば教えてください。

特にこれといったものはありませんが、自分の好きなモノ、場所がいいと思います。

――脳の特性として"午前中の方がいいアイデアが生まれやすい"などの時間としての傾向はあるのですか?

朝起きた時でしょうか。寝ている間に頭の中は整理されるので、朝は集中できたり、アイデアが生まれやすくなったりします。

――良いアイデアを生むためには、脳を効率良く休ませることも大切だと思うのですが、脳をリラックスした状態にするためのコツを教えてください。

いいアイデアを生むことに集中するために、心配事や気になることを排除することです。実際に排除することが難しかったとしても、心配に思う要因は頭から排除して取り組むのをおすすめします。

難しいことかもしれませんが、取り組みたい問題と自分の間に距離を置かないというのがポイントです。

――ありがとうございました。

なお、今回、インタビューに応えてくれた茂木氏が出演するテレビ番組「茂木健一郎の発想の種IMAGINE -TOKYO DESIGNERS WEEK.tv-」が4月よりスタートする。同番組について、茂木氏は「この番組内ではクリエイティブ業界、経営者、作家、監督、政治家など、さまざまな業界で走り続ける人々がどのように発想しているのか紐解いていきます。視聴者の方々には、自分にはどの発想方法が合っているか、試しに明日からまねできそうな発想方法はどれか、など発想のヒントになると思います」とコメントしている。

茂木健一郎氏とアーティストの清川あさみ氏がMCを務める「茂木健一郎の発想の種IMAGINE -TOKYO DESIGNERS WEEK.tv-」が4月1日より放送される

茂木健一郎の発想の種IMAGINE -TOKYO DESIGNERS WEEK.tv-

毎年秋に開催されるデザイン&アートイベント「TOKYO DESIGNERS WEEK」と連動するテレビ番組。BS日テレにて、毎週月曜日 23:00~23:54に放送される。メインコーナーの「IMAGINE」では茂木健一郎氏がMCを務め、活躍するトップクリエイターから発想のヒントを探っていく。

■「IMAGINE」登場ゲスト
4月1日、8日 清川あさみ氏(アーティスト)
4月15日、22日 副田高行さん(アートディレクター)
5月6日、13日 山元賢治氏(コミュニカ代表取締役・元アップルコンピュータ社長)
5月20日、27日 家入一真氏(連続起業家)