Radeon HD 7790のレビューが終わったのとほぼ同時のタイミングで、今度はNVIDIAの新製品が届く事になった。ということで、今度はこちらをご紹介したい。

3月26日にNVIDIAから発表されたのは、GeForce GTX 650 Ti BOOSTである。650 Ti "BOOST"とあることでも分かるとおり、基本は既存のGeForce GTX 650 Tiであるが、動作周波数の向上に加え、Boost Clockに対応したのが主な違いと言える(Photo01)。

Photo01:既存のGeForce GTX 650Tiのスペックはこちらの表を参照の事

CUDA Coreは768基のまま据え置きであるが、動作周波数は925MHzから980MHzに引き上げられたとともに、より上位のGeForce GTX 660では有効になっていたGPU Boostをサポートして最大1,033MHz(これはGTX 660と同じ)まで動作周波数をあげる事が可能だ(Photo02)。

Photo02:といっても980MHzから1,033MHzだから、向上率としては5.4%ほどでしかないが

またメモリも、GeForce GTX 650 Tiは128bit幅/5.4GHzの1GB構成であるが、GeForce GTX 650 Ti BOOSTでは192bit幅/6GHzの2GB構成となっている。ただこうなると当然ながら消費電力は増えており、TDPはGeForce GTX 650 Tiの110WからGeForce GTX 650 Ti BOOSTでは140Wとされた。140WというのはGeForce GTX 660と同じ値であり、こうなってくるとGeForce GTX 650 Tiの強化型というよりは、GeForce GTX 660の廉価版といった構成に近い。

この結果として性能はGeForce GTX 650 Tiと比較してもかなり伸びており(Photo03)、AMDのRadeon HD 7850と互角以上の性能をだす(Photo04)というのがNVIDIAの主張である。

Photo03:この性能の伸びは、要するにメモリのバス幅の改善(86.4GB/secから144.2GB/sec)が効いてくるためと思われる

Photo04:Radeon HD 7850と比較して10%前後のアドバンテージがある、としている

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