録画した番組は「録画一覧」に保存され、サムネイルをクリックすれば番組の再生が始まる。再生画面は、再生位置を変更するための進捗バーと、15秒送りボタン、10秒戻しボタンがあるのみだ。いずれの操作をした場合でも、タイムラグが5秒くらいある。コマ落ちはないが、インターネットで動画を見ているのと大差ないレスポンスだ。

チャプター設定やCMカットなどの機能は持たず、録画した番組をブルーレイディスクなどにダビングすることもサポートしていない。このあたりは割り切りが必要だが、いずれ実装されることを期待したい。また、外付けHDDはPIX-BR320本体に接続されているため、PCからアクセスすることはできない。

「録画一覧」やホーム画面にある「最近の録画番組」を表示して、録画番組を再生。録画一覧では、番組の保護と削除が可能だ

再生中は、再生位置の変更と15秒送りボタン、10秒戻しボタンが利用できる

ワイヤレスTVという目的を十分に果たせる

今回は試せなかったが、PIX-BR320をAndroid端末から利用できるアプリ「StationTV for Android」も公開中だ。通常価格1,000円と有償だが、先着5,000人まで無料で配布されている(2013年3月14日の時点では、まだ無料のようだ)。なお、完全にAndroid環境だけでよいなら、Android用のチューナー製品「PIX-BR321」という選択肢もある。

PIX-BR320の画質は申し分がなく、録画予約も簡単だ。Windows 8のノートPCやタブレットを使っているなら、家のどこにいてもテレビを見られるので、カジュアルな楽しみ方にぴったりだろう。

一方で割り切りも必要だ。視聴時や録画時できることがまだ少なく、多機能なテレビ環境を望むユーザーにはもの足りない。またワイヤレスの宿命か、PIX-BR320の検出画面が何度も表示されるのが、ちょっとわずらわしく感じた。録画を行うには専用の外付けHDDが必要だったりと、細かいものの気になる点があるのも確か。

とはいえ、Windows 8のPCやタブレットからワイヤレスでテレビを楽しみたいなら、PIX-BR320はその目的を十分に果たせる製品だ。テレビチューナー製品の使い勝手と機能は、視聴ソフトによって左右される部分が多いため、今後のアップデートにも大いに期待したい。