STMicroelectronicsの社長兼最高経営責任者(CEO)であるCarlo Bozotti氏

STMicroelectronicsは3月11日、同社の社長兼最高経営責任者(CEO)であるCarlo Bozotti氏が来日し、2012年12月10日(スイス時間)に発表した新たな戦略計画などについての説明を行った。

同社の2012年の通期業績は約84億9000万ドル。その内、38%がAnalog、MEMS、Microcontroller(AMM)分野で、次いで自動車関連が18%、デジタル16%、ワイヤレス16%、そしてパワー/ディスクリートが12%となっている。受注地域別に見た場合、米州が14.7%、EMEAが24.7%、中国/南アジアが41.9%、そして日本/韓国が18.7%となっている。

同社では、新たな戦略として「センス&パワー、オートモーティブ製品」部門と「エンベデッド・プロセッシングソリューション」部門の2つの製品部門を基本として、「MEMS&センサ」、「スマート・パワー」、「車載用製品」、「マイクロコントローラ」、「アプリケーション・プロセッサ&コンスーマ製品」を含む5つの製品分野に注力していくことを表明しているが、これら5つの製品分野の市場規模は2013年で1400億ドル(センス&パワー、オートモーティブ製品が730億ドル、エンベデッド・プロセッシングソリューションが670億ドル)で、それぞれ2012年から2015年までのCAGRを4.8%、4.4%とみているという。

STMicroelectronicsの2012年における主要顧客10社

2013年の同社が対象とする市場規模

この2つの部門、そして5つの製品分野が組み合わさった新戦略だが、具体的にはセンス&パワー、オートモーティブ部門の中心製品となるのが、「MEMS&センサ」、「パワーディスクリート&モジュール」、「アドバンスド・アナログ/パワーマネジメント、標準IC」、そして「オートモーティブ製品」である。一方、エンベデッド・プロセッシングソリューション部門の中心製品となるのが、「汎用マイコンとセキュアマイコン」、「アプリケーションプロセッサ/デジタルコンシューマ製品」、「イメージングIC&モジュール」、そして「デジタルASIC」だという。

センス&パワー、オートモーティブ部門の各種製品(左)とエンベデッド・プロセッシングソリューション部門の各種製品(右)

この成長をけん引する5つの製品分野における2013年の戦略であるが、車載用製品では技術面で、「110nmプロセスを用いたスマートパワー技術」ならびに「40nmプロセスを用いた内蔵フラッシュメモリ技術」という2つの重要な研究開発が進められているという。

2つ目となるパワー&スマートパワー分野では、手堅いシェアを有している高耐圧パワーMOSFET分野はそのシェアを維持しつつ、200V以下の低耐圧パワーMOSFET向けに注力していくほか、スマートパワー分野として携帯機器向けのパワーマネジメントICを中心としたソリューションの提供を進めていくとする。

3つ目となるアナログ・MEMS・センサ分野では、ミドルエンドおよびハイエンドのオペアンプの2桁成長を目論むほか、高性能MEMSマイクロフォンの量産によるMEMS分野のシェア拡大を目指すとする。

4つ目となるマイコン分野では、32ビットマイコンである「STM32」のラインアップ拡充や、セキュアマイコンやNFCコントローラを搭載する次世代NFC製品、デュアルインタフェースEEPROMの新製品投入などを図っていくとする。

そして5つ目となるデジタル製品分野では、製品の多角化戦略を進め、CMOSイメージセンサの拡充に加え、新興国向けSTB ICやDisplayPort用ICの市場拡大、ネットワーク用ASICの拡大などを図っていく計画とする。

こうした各製品群の差別化要因として同社は「FD-SOI技術」「BiCDMOSプロセス」「MEMS技術」を挙げており、こうした独自開発の技術をデジタル、アナログ、そしてMEMS分野と幅広く持つことで、売り上げの拡大につなげることが可能になるとしており、そうした技術が求められる日本ならびに韓国は、新戦略における重要地域だとしており、特に日本地域では自動車やコンシューマなど、幅広い分野で新規顧客を獲得しており、将来の売り上げの達成において必要な地域であることを強調した。

他社と差別化を図る3つのSTの技術